覚醒剤の俗称を「シャブ」と呼ぶようになった経緯に関しては諸説あります。「アンプルの水溶液を振るとシャブシャブという音がしたから」とか、英語の削る、薄くそぐ」を意味する「shave」を由来とする説、「骨までシャブる」を由来とする説や、「静脈内に投与すると冷感を覚え、寒い、しゃぶい、となることから」という説もあります。「人生をしゃぶられてしまうからである」と発言した裁判官もいたようで、簡単に言うとよく分かっていません。日本での正式名称は「ヒロポン」で心疾患のある患者の心収縮力を増強し、心拍出量を増加させる麻薬の一つです。(参考:wikipedia)
本来、医療用に用いられる為の医薬品で、モルヒネなどと同様に考えられるべきものです。乱用することで中毒症状を引き起こすので「覚醒剤やめますか? それとも人間やめますか?」などと啓発広告に載せられるようになった悪魔の薬と言われてきました。
どんな薬でも麻薬となり得る可能性を秘めているもので、市販薬に至るまで注意をすべきことは多々あります。用法用量を守らないといけないのはその為です。私たちの子供の頃は、医師が薬を処方して「次〇〇日に来てください」と患者に伝えるのは、薬害を起こさず無事だったという生存確認を行う為だと聞かされていました。かつては劇薬の処方が多かったこともあって、そう言われていたようです。今の薬は「副作用を起こさないけれど効かない」と言われるのも何となく分かります。ガスター10やロキソニンなどの劇薬が一般販売されるようになると、結構議論がなされますよね。
出典:https://www.yoshinoya.com/menu/gyudon/gyu-don/
今、世間で問題になっている「生娘をシャブ漬け戦略」ですが、流通に関係する仕事に従事された方やメーカーのセールス担当を経験された方なら、よく分かる言葉だと思います。まさに核心をついたことばです。
しかし、これを公に公言してしまっては元も子もありません。この発言によって吉野家、及び早稲田大学が受けたダメージには計り知れないものがありますから。「顧客の囲い込み」はマーケティングのイロハのイです。吉野家にとっては同業他社のみならず、高級レストランまでをも含んだ競争戦略としては最優先課題だったのだと感じます。意味はよく分かりますし、気持ちも分かります。でも「それを言っちゃあおしめえよ」でしたね。
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ただ、この言葉尻をとらえて、正義感を振りかざしている論調を見聞きするのも気持ち悪いです。最近は特に度を越した正義感が相手の人生すら奪ってしまう恐ろしさが満ち溢れています。許容範囲を超えているものだとしても、ある程度は笑って許せる懐の深さは持ち合わせたいですね。だからといって「生娘をシャブ漬け戦略」を見逃せというものではありませんが。
「ジョーク」として捉えられる範囲がかなり狭くなってしまった今だからこそ、その辺りには細部に渡っての心配りが求められます。他山の石としてではなく、我が身に置き換えて考えさせられることですね。
よろしくお願いします。