まさか、ガンバを相手にこの快勝劇は予想の遥か上を行きました。それは嬉しいことなのですが、もう一つ現実味がないというのが正直な気持ちです。試合前にはどんな相手にも勝つことを目指して応援するのは変わりありませんが、相手を完全に封じての完勝というのは気持ちの上で落ち着かないのです。「ファジがこんなに強い訳がない。何か落とし穴があるぞ!?」という僻み根性が長い魔境生活の中で強くなってしまったのでしょう。でも、この勝ちは心底嬉しいですよね。ありがとうございます。
この日の相手はガンバ大阪。誰でも知っているオリジナル10の一角、ビッグクラブの一つです。オリ10クラブは、既にチームがないAS横浜フリューゲルスを除いた、東京ヴェルディ,鹿島アントラーズ,浦和レッズ,ジェフユナイテッド千葉,横浜F・マリノス,清水エスパルス,名古屋グランパス,ガンバ大阪,サンフレッチェ広島の9クラブです。2010年からJ2生活が16年目を迎えたジェフユナイテッド千葉の他の8クラブは今季のJ1に所属しています。オリ10どころか、クラブ創設が2004年という新参者のファジアーノ岡山にしてみれば、ガンバ大阪と言えば雲の上の存在でした。2013年にJ2での対戦があるにはありましたが、それは何かの気の迷いだったとしか言えませんよね。
そんな相手とのこの試合を写真で振り返ります。
守備から攻撃へのリズムが非常によく、高い位置でボールを奪って素早く前線へ送り込み得点に結びつける一連の流れが継続できれば、J1でもそこそこ戦って行ける。それが少しずつ現実化されてきていることが強く感じられる試合でした。
ガンバの各選手の動きが良くなかったこと、宇佐美の状態が最悪だったこと、怪我人や離脱者でメンバー選択に苦慮するところがあったこと、この日の対戦相手には負の材料が多くありました。ある意味、開幕直後のこの段階で対戦出来たのが幸運だったとも言えるでしょう。しかし、この1勝はでかいと思います。
選手は全力で走り続けました。みんな頑張りました。それが勝利に結びついたことが嬉しいのです。平日の為、チケット完売にもかかわらずスタンドを埋めきれなかったことには、少し残念な気持ちがありますが、この日のJ1全試合の中では3番目に多い入場者数でした。それだけ岡山は熱量が上がっているということですね。
試合後のガンバ大阪の応援席のブーイングが物凄かったですね。その気持ちはよく分かります。しかし、甲子園のライトスタンドかと思えるような怒号、罵声、罵詈雑言には疑問を感じずにいられません。挨拶に来た選手たちに容赦なく浴びせられるそれらの言葉が選手の後押しになるでしょうか? 「次はサポーターの為に絶対に勝とう!」という気持ちにさせるでしょうか? チーム状態が最悪の時にそれを理解していながら気持ちを抑えきれずに選手たちにその言葉を浴びせることは、ガンバにとってプラスになる部分は殆どないような気がします。他サポからすれば、この阪神ファンのような怒号は面白いとは思いますが、罵声の中にも笑いを取ろうというユーモアのセンスを持ち合わせている分阪神ファンの方が精神的には大人なのかな、などと考えたりします。
「負けたのにエールか!」「そんな甘っちょろいサポだから16年もJ2にいたんだよ!」という言葉を聞くことはよくあります。何が正解かは現状では分かりませんが、ファジはファジらしく後押ししながらJ1の荒波を乗り越えて行きましょう。
中3日で第4節が行われます。幸いなことにファジはホームで連戦を戦えます。対戦相手は昨季J2でシーズンダブルを喰らった清水エスパルスです。J1でお返ししましょう。ファジにとっては序盤の重要な試合です。ここで勝てるかどうかは今季の今後に大きな影響を及ぼすことになるでしょう。驕ることなく、緩むことなく、厳しい戦いに勝利しましょう。第5節以降がまさに「J1」というビッグクラブとの対戦になります。苦しい試合であってもそれを体感できることを幸せに感じて応援出来たらよいかなと思っています。
頑張りましょう。よろしくお願い申し上げます。