Vリーグのチームにとっては新人選手の登竜門としての大会という位置づけですが、それとともに退団する選手のそのチームでの最後の試合という意味合いも持ちます。
特に引退を決意した選手にとっては選手として出場する最後の公式戦ですから、ファンにとっても思い出深い試合となることが多くなります。
下の表はいずれも大阪府バレーボール協会のホームページより引用しました。出場チーム、グループ分け、女子のグループ戦の予定等をご参照ください。
出典:https://www.ova-gr.jp/_p/acre/24700/documents/4.%E5%87%BA%E5%A0%B4%E3%83%81%E3%83%BC%E3%83%A0%E4%B8%80%E8%A6%A70411.pdf
出典:https://www.ova-gr.jp/_p/acre/24700/documents/%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%97%E6%88%A6%E7%B5%84%E3%81%BF%E5%88%86%E3%81%91.pdf
出典:https://www.ova-gr.jp/_p/acre/24700/documents/%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%97%E6%88%A6%E7%B5%84%E3%81%BF%E5%88%86%E3%81%91.pdf
岡山シーガルズから、4選手の引退が発表されました。
キャプテンを長年務めてきた川島亜依美、リオ五輪代表のセッター・宮下遥、そしてアウトサイドヒッターの前田明里、遠藤彩萌の4選手です。
それぞれの選手に思い出は多くありますが、個人的にずっと応援してきた川島主将の引退には驚きはありませんでしたけれど非常に残念です。彼女は高校女子バレーのスター選手が集った2009年の入団です。代表を引っ張ってきた選手を多く輩出した年代ですが、彼女はそんな光の当たる選手ではありませんでした。出身高校は九州の名門チーム、長崎の九州文化学園です。当時、「ついに九文からシーガルズに入団する選手が出てきたのか」という感慨があったのを思い出します。しかし、シーガルズ同期の卜部、瀬尾、丸山の3人のように高校時代にチームの主力として活躍していた選手ではなく、ほとんどがベンチ外の補欠だったのです。九文の監督が河本監督に紹介して、半ばテスト生のような境遇での入団です。河本監督によると「180cmを超える長身選手は本来横のボールに対する反応が鈍いものだが、彼女はレシーブ練習でしっかり反応できている」という1点を注目して入団させたという経緯を語られていたのを思い出します。行ってみれば180cmという身長に対する期待値込みでの入団だったということのようです。彼女がシーガルズで同期たちに後れを取りながらも、着実に力をつけてレギュラーポジションをつかみ、試合に出場するようになってきた頃から彼女をずっと応援し続けてきました。日本代表にも選出された時は本当に嬉しかったのです。
彼女の現役最後の公式戦の舞台が黒鷲旗になったことで、思い出されるのがシーガルズ入団同期の丸山亜季の引退です。丸山もリベロとしてリオ五輪最終予選に代表として出場し、日本の五輪出場に貢献した名選手でした。リオ本大会にはバレーボール協会の大人の事情により出場できませんでしたが、彼女がリオ五輪に出ていたら結果は違っていたと確信しています。それはさておき、その丸山亜季が引退を決意した2021年、彼女も最後の公式戦を黒鷲旗に定めていましたが、コロナ禍の為に大会は直前で中止され引退の舞台に立てないままに涙の引退を余儀なくされた悲しい思い出があります。そんな同期の思いに寄り添ってか川島主将は、「最後の試合があることにまずは感謝したい。戦わずして引退した丸山の分まで全力でプレーする」と語っていました。
更に、黒鷲旗の思い出と言えば、宮下にとっても忘れられない出来事がありました。先輩セッターで宮下と同じく日本代表に選出された岡野弘子さんが引退を表明して臨んだ黒鷲旗の最後の試合の最終局面、岡野さんは当時若手だった宮下に最後のトスを上げたのです。「あとは任せた」という無言の意思表示を込めた「最後のトス」の話題は感動秘話として人々の涙を誘いました。黒鷲旗には、様々な人間模様、人生の機微を感じさせられる話題に事欠きません。この度引退する4選手たちにも選手としての最後の想いを込めたプレーでより良い思い出を残してほしいと願っています。
長い間お疲れ様でした。また会える日を楽しみに。そして、黒鷲旗の健闘を祈って締めくくりたいと思います。
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