おじさんのスポーツおたく奮戦記? 第2章:issanの諸国漫遊記!?

岡山のスポーツチーム、出身選手、岡山に関係する人々などを勝手に応援するissanの日本国内漫遊記 !?

岡山県出身選手の個人種目金メダルは森末慎二氏に続く史上2人目

2024年08月01日 10時20分59秒 | オリンピック

岡山県出身選手の五輪金メダリストは結構いるように見えますが、何度も言ってきたように個人種目で過去に金メダリストになったのは、1984年のロサンゼルス五輪の体操種目別の鉄棒で全ての演技で満点を出して金メダルに輝いた関西高校出身の森末慎二氏ただ一人でした。パリ五輪体操個人総合で金メダルを獲得した岡慎之助は岡山県出身選手では2人目の個人種目での金メダリストになりました。スペシャリストが席巻する今の体操界においてオールラウンダーの頂点を決める個人総合を決めることは体操界における「King of Kings」を決めることです。


「日本の宝」が大けが乗り越え戴冠体操男子個人総合「金」の岡慎之助パリ五輪
gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/sankei/sports/sankei-_sports_other_ZWQ2EXWMGZPS7PGXIRDI5GJL6I

※以下、引用です。

最終種目の鉄棒に臨む岡慎之助は冷静だった。「思い切って大きな演技をする」。シンプルに、腹を割った。E難度の「コールマン」など離れ技を着実に決め、着地でわずかに動いたものの、演技をまとめ上げた。「緊張をかみしめながら、楽しんで演技できた」。五輪は初出場で、世界選手権の経験もない。そうとは思えない強心臓ぶりが、金メダルを手繰り寄せた。

周囲からは「日本の宝」とも言われてきた逸材。2019年には世界ジュニア選手権を制するなど、実力は誰もが認めてきた。この日も得意の平行棒は15.100点をたたき出し、5種目でEスコア(実施点)が8.5点を超える高得点をマーク。男子の水鳥寿思監督は「世界が、彼の体操は基本に忠実で素晴らしいと評価してくれた」と勝因を分析した。

困難も乗り越えてきた。22年4月の全日本選手権では、右膝前十字靭帯を断裂。選手生命にもかかわるような大けがだったが、手術の翌日にはリハビリを始めていた。「絶対パリに行く」。その思いが体を動かした。上半身の力を使うつり輪の強化にも取り組むなど、前向きに夢舞台を目指してきた姿勢が、大きな花を咲かせた。

「やっと勝てた。けがを乗り越えてきてよかった」。優勝が決まった瞬間、万感の思いがこみ上げた。ともに戦った21年東京五輪個人総合王者の橋本大輝とも抱き合い、日の丸を誇らしげに掲げた。(小川寛太)


元来、気候が穏やかで災害が少なく「南海トラフ発生時には岡山へ逃げろ」と言われるほど恵まれた地である岡山県では、野心を持つ必要がなくそこそこに過ごしていれば何不自由なく暮らせることもあって、大志を抱いて都に上ることを選ぶ必要のない県民性の為、特に勝負事には向いていないとされていました。更に利己的で個人主義者という烙印も押されていますから、団体スポーツにも向いていないと言われてきました。「プロスポーツ不毛の地」と呼ばれてきたのにもそういう理由があると思っています。

「オリンピックの金メダルで飯は食えない」というのを皮肉にも証明してしまったのも先輩の森末慎二氏でした。ロス五輪を終えて体操から引退を表明して帰国した彼を待っていたのは過酷な現実でした。「体操をしない君に価値はない」とばかりに所属企業を追われた彼は何とか芸能界で生き残れましたが、そういうわけには行かない選手が殆どです。決してメジャーとは言えない体操界では指導者になるか、教育者として学校に残るかという程度の選択肢しか残されません。

そんな背景もあって岡山県から五輪の金メダリストが出辛い環境が作り上げられたと考えられます。利に目ざとい岡山県民には不向きなジャンルと言えそうです。

それでも個人で頑張っている選手は多くいる訳で、そういう選手たちを応援したいと思っている方も少なくありません。パリオリンピックで岡慎之助が達成した快挙が岡山で将来を夢見て頑張っている子供たちの励みとなり、背中を押すことに役立てば素晴らしいことと思います。

五輪個人種目では、高橋大輔は銅メダル、人見絹江・有森裕子両名は銀メダル(有森さんは銅メダルも)でした。それはそれで素晴らしい快挙ですが、過去に個人種目で唯一の金メダリストである森末氏の扱いがあまりにも低いことには私自身も納得できてはいません。

五輪もたけなわの今、4年に一度ナショナリズムに目覚める方も多いのか、SNSでの誹謗中傷合戦が止まりません。それは、大会が盛り上がれば盛り上がるほど加熱されてきます。気持ちは分からなくもないですし、腹の立つこともあるでしょうが、そこはグッと抑えて本質を見失わないように注意したいものですね。競技そのものを楽しむのが本筋であって、個人攻撃をするのは筋違いということを忘れずにいたいものです。


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