「編集人さん、実は一人上げたい選手がいるんですよ」
「へぇ」
「多分編集人さんは知らない選手ですよ。自分も話では聞いてたんですけど、見たのは今回が初めてだったんですよ」
「そうなんですか?」
電話の向こうで代表が物凄く興奮している。普段はこんなに興奮なんかしない人が・・・
「ちょうどなべさんも一緒にいて、なべさんも絶賛してましてね。これはもううち向きの選手ですって言ってましたよ。」
「へぇ、グラウンド系の選手ですか?」
「いえ、空手系ですね」
「それは珍しいですね。なべさんあまりそっち系は好きじゃないはずですよね」
「そうなんですよ。だから凄いんですよ。自分意地でも今回呼びますよ。対戦相手も心の中ではもう決めてます」
「へぇ。でなんて人なんですか?」
「角英輝選手っていうんですよ」
「・・・知らないですねぇ」
「関西方面で活躍している選手ですけどね。今度自分関西のほうに行くんで、オファーかけますから」
「ちょっとちょっと。気が早いですねぇ」
「いや、編集人さんが正岡選手に入れ込んだじゃないですか。あの状態なんですよ。自分としては」
「まあ、代表が押すならいいんじゃないですか?誰とやらせるかはわかんないですけど」
「多分旗揚げ戦の師匠対戸田さんの試合みたいな展開になるんじゃないですか?」
「へぇ」
「殺気が物凄いんですよ。研ぎ澄まされたナイフって感じが全身から出ているような感じで」
代表はまた電話しますと言って一方的に電話を切りました。
9月のスタイルEはまさに激動の一日でした。
平静D震軍の猛攻がスタイルEチームを侵食し始めたのです。
いつもとは違う殺伐とした雰囲気が会場内を包みます。
そして田村選手は7月のマサ高梨選手とのタイトルマッチで負けてからどうもスランプに陥っているようでした。
そしてその日、西調布のスタイルE興行でついにバンジーが動きます。
いつもの明るい試合は封印し、殺気を前面に出した試合は明らかにいつものスタイルEとは異なるものでした。
圧倒的な強さを見せつけたバンジーはマイクを手に取ると一気にまくし立てた。
「もうお笑いは封印だ。いいか、お前らなんかにもう付き合ってらんねぇんだよ。俺はな、やらなければならない事があるんだよ」
観客が一瞬静まり返る。
「俺はな、何が何でもお師匠様である、ミスター雁之助とシングルをやりたいんだよ。だからな、お前らなんかにつまずいてなんていられねえんだよ」
観客がどよめき、拍手が鳴り響く。
それを見てまずバンジーが本気でこの一戦に望む事がわかりました。
「そうですか。高田くんが動きましたか」
代表は電話の向こうで、安堵の声を出していました。
「ええ、立派な宣言でした」
「でも雁之助さんのいないところで対戦アピールをするところがやはり高田くんだねぇ(笑)」
「本人の前だとやはり照れるんですかね」
「でももう戻れないですよね」
「で、代表、明日は名古屋でしたっけ?」
「ええ、DEPさんに行って選手のオファーかけないとまずいですから」
「今回はリマッチですか?」
「いや、それもありなんですけど、今回は出来たら全く別のメンバーをお願いしようと思っているんですよ」
「へぇ」
「とはいえ、古澤代表がどう動くかで流動的なんですけどね。リマッチで行こうといえばそれでも自分は構わないのですけれど」
「で、誰ですか」
「ロックオンタ~イム」
「柴山選手ですか。なるほどねぇ。でも正岡選手とライバル関係でしょ?変な刺激を受けなきゃいいけど」
「大丈夫でしょう。柴山選手は自分がDEPのメンバーでもうちに上がってもらいたい選手の一人なんですよ。
まだ手垢がついていないうちに上げたいんですよねぇ」
「確かに正岡選手は認知度が上がってきてますもんね」
「そうなんですよ。だから柴山選手もうちがファーストインパクトをもらうということで」
「まあ、行ってきてください。朗報待ってますから」
「はい、じゃあ来週の頑固、お願いします」
「了解しました」
「へぇ」
「多分編集人さんは知らない選手ですよ。自分も話では聞いてたんですけど、見たのは今回が初めてだったんですよ」
「そうなんですか?」
電話の向こうで代表が物凄く興奮している。普段はこんなに興奮なんかしない人が・・・
「ちょうどなべさんも一緒にいて、なべさんも絶賛してましてね。これはもううち向きの選手ですって言ってましたよ。」
「へぇ、グラウンド系の選手ですか?」
「いえ、空手系ですね」
「それは珍しいですね。なべさんあまりそっち系は好きじゃないはずですよね」
「そうなんですよ。だから凄いんですよ。自分意地でも今回呼びますよ。対戦相手も心の中ではもう決めてます」
「へぇ。でなんて人なんですか?」
「角英輝選手っていうんですよ」
「・・・知らないですねぇ」
「関西方面で活躍している選手ですけどね。今度自分関西のほうに行くんで、オファーかけますから」
「ちょっとちょっと。気が早いですねぇ」
「いや、編集人さんが正岡選手に入れ込んだじゃないですか。あの状態なんですよ。自分としては」
「まあ、代表が押すならいいんじゃないですか?誰とやらせるかはわかんないですけど」
「多分旗揚げ戦の師匠対戸田さんの試合みたいな展開になるんじゃないですか?」
「へぇ」
「殺気が物凄いんですよ。研ぎ澄まされたナイフって感じが全身から出ているような感じで」
代表はまた電話しますと言って一方的に電話を切りました。
9月のスタイルEはまさに激動の一日でした。
平静D震軍の猛攻がスタイルEチームを侵食し始めたのです。
いつもとは違う殺伐とした雰囲気が会場内を包みます。
そして田村選手は7月のマサ高梨選手とのタイトルマッチで負けてからどうもスランプに陥っているようでした。
そしてその日、西調布のスタイルE興行でついにバンジーが動きます。
いつもの明るい試合は封印し、殺気を前面に出した試合は明らかにいつものスタイルEとは異なるものでした。
圧倒的な強さを見せつけたバンジーはマイクを手に取ると一気にまくし立てた。
「もうお笑いは封印だ。いいか、お前らなんかにもう付き合ってらんねぇんだよ。俺はな、やらなければならない事があるんだよ」
観客が一瞬静まり返る。
「俺はな、何が何でもお師匠様である、ミスター雁之助とシングルをやりたいんだよ。だからな、お前らなんかにつまずいてなんていられねえんだよ」
観客がどよめき、拍手が鳴り響く。
それを見てまずバンジーが本気でこの一戦に望む事がわかりました。
「そうですか。高田くんが動きましたか」
代表は電話の向こうで、安堵の声を出していました。
「ええ、立派な宣言でした」
「でも雁之助さんのいないところで対戦アピールをするところがやはり高田くんだねぇ(笑)」
「本人の前だとやはり照れるんですかね」
「でももう戻れないですよね」
「で、代表、明日は名古屋でしたっけ?」
「ええ、DEPさんに行って選手のオファーかけないとまずいですから」
「今回はリマッチですか?」
「いや、それもありなんですけど、今回は出来たら全く別のメンバーをお願いしようと思っているんですよ」
「へぇ」
「とはいえ、古澤代表がどう動くかで流動的なんですけどね。リマッチで行こうといえばそれでも自分は構わないのですけれど」
「で、誰ですか」
「ロックオンタ~イム」
「柴山選手ですか。なるほどねぇ。でも正岡選手とライバル関係でしょ?変な刺激を受けなきゃいいけど」
「大丈夫でしょう。柴山選手は自分がDEPのメンバーでもうちに上がってもらいたい選手の一人なんですよ。
まだ手垢がついていないうちに上げたいんですよねぇ」
「確かに正岡選手は認知度が上がってきてますもんね」
「そうなんですよ。だから柴山選手もうちがファーストインパクトをもらうということで」
「まあ、行ってきてください。朗報待ってますから」
「はい、じゃあ来週の頑固、お願いします」
「了解しました」