東京都で14日、新型コロナウイルスの新規感染者が1149人確認され、約2カ月ぶりに1千人を超えた。
年末年始の第3波以降、都内では緊急事態宣言解除とリバウンド(感染再拡大)を繰り返してきたが、今回は宣言解除から1千人到達までの増加ペースが最も早かった。
人出の高止まりや感染力の強い変異株(デルタ株)の流行が要因とみられ、23日に開幕する東京オリンピック(五輪)期間中にさらに大きな波が訪れる懸念が出ている。
【一目でわかるグラフ】東京都の新規感染者数の推移 ペースが急上昇しているのが見てとれる 過去の波と比較すると、その上昇スピードは群を抜く。
第3波で、最後に1千人を上回ったのは1月28日(1065人)で、2月下旬には感染者数が100人台~300人台まで下がった。3月上旬以降に感染者数は増加に転じ始めたが、1千人を超えたのは4月29日(1027人)で、1月28日の1千人超えから次の1千人超えまでは約3カ月の間隔があった。
第4波では5月13日(1010人)を最後に1千人を下回る日が続いたが、6月21日に3度目の緊急事態宣言が解除される前から、すでにリバウンドの兆候は見え始め、前回の1千人超えから約2カ月で再び1千人を超えた。上昇スピードが早く、週平均の新規感染者数でみても、前週比も上がり続け、13日には130%を超えていた。
感染者数が急増したのはデルタ株の流行に加え、いっこうに減らない夜の繁華街での人出が要因とみられる。小池百合子知事は9日の定例会見で「(夜の繁華街に)かなり多くの方が出ておられる。路上でバーを開いているような方などもある」と危機感を示した。政府は12日、東京に4度目の緊急事態宣言を出したが、休業要請を守らない居酒屋が相次いでいる。