暴力団で通達文「携帯はマナーモードに」「お金の貸し借りは禁止」 組織が組員にコンプラを求める背景(NEWSポストセブン) - Yahoo!ニュース
六代目山口組の司忍組長/時事通信フォト
暴力団で通達文「携帯はマナーモードに」「お金の貸し借りは禁止」 組織が組員にコンプラを求める背景
3/16(木) 16:15配信
暴力団とコンプライアンス(六代目山口組の司忍組長/時事通信フォト)
暴力団といえば違法行為もいとわない何でもありの組織──そう認識している人が多いだろうが、令和の暴力団はそうもいかないようだ。関東に本拠地を構える広域暴力団が傘下組織に出した通達文の内容が、組員に一般企業さながらコンプライアンス遵守を促していると話題になっている。
【写真6枚】「携帯はマナーモードに」配布された通達文
この広域暴力団が〈通達事項〉として傘下組織に配った複数枚の紙には、新入社員が研修で学ぶような“社会人としての心得”に似た内容が記されている。(以下、〈 〉内は原文ママ)
〈会員同士のお金の貸借は厳禁とする〉
〈定例幹部会又は会合が開催されている時は携帯電話の呼び出し音はマナーモードに設定するか電源をオフにしておいて下さい〉
また、幹部会が開かれる施設近隣のサービスエリアで集まることなども
〈他の利用者に御迷惑が掛かり今迄何度か当局に通報が入る事態になっておりますのでその様な行為はお止め下さい〉とも記されている。
組員は幹部会でトップに挨拶した後は、廊下などで立ち話をせず、速やかに席に戻らなければならないという。
暴力団特有の“心得”も。今年2月に六代目山口組の幹部3人らが親族など他人名義のETCを使って高速道路を利用したことで逮捕されたが、これについても言及。暴力団員は暴排条例からクレジットカードを作れず、ETCカードも取得できない。そのため、高速道路を利用する場合は現金払いのみだ。この組織は丁寧に、首都高速のETCでなければ乗れない料金所を別紙にまとめて記載し、
〈私達にも起こり得る事件で御座いますので注意して下さい〉とETCの利用自粛を求めている。
そして
〈各地区総責任者より(中略)厳しく御指導して頂きます様宜しくお願い致します〉と、
一際厳しい口調で禁じているのが強盗・特殊詐欺への関与だ。
〈最近報道されている強盗 特殊詐欺等の事案〉として、「ルフィ」と名乗る日本人の男らがフィリピンから強制送還され逮捕された事件を示唆。その上で、
〈この様な事件に加担した者が居た場合又は接触を持ったりした者が居た場合は当人は元より一家一門まで厳しく処罰する〉とし、
親まで連帯責任を負わせるという厳しい内容になっている。
こうした通達を出した狙いはどこにあるのか。フリーライターの鈴木智彦氏はこう語る。
「暴力団は脱法行為を繰り返している、法に縛られない組織というイメージが強いが、実際は警察のお目こぼしがあるから存在できている。警察の機嫌を損なうと工藤會(特定危険指定暴力団)のように壊滅まで徹底的に追い込まれます。今回の広域強盗は逮捕された首謀者4人に六代目山口組関係者がいたこともわかっている。警察の威信にかけた捜査が進められているため、今後、組員の関与が相次ぐと組織ごと潰されかねない。今回の通達は組員に向けてというよりも、警察に“ウチの組織は禁じています”というアピールの面が大きい」