【マイナカード】普及を急ぎ過ぎたツケ 専門家は「今後も問題は繰り返し、その度にシステムの改修が必要に。最悪のスパイラルに入っている」(デイリー新潮) - Yahoo!ニュース
【マイナカード】普及を急ぎ過ぎたツケ 専門家は「今後も問題は繰り返し、その度にシステムの改修が必要に。最悪のスパイラルに入っている」
6/14(水) 6:01配信
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マイナンバーカードを巡るトラブルが次々と明らかになっている。今月10日にはカードを使って行政手続きができる政府のサイト「マイナポータル」で、他人の年金記録が閲覧できてしまうケースが発覚。健康保険証として使う「マイナ保険証」でも、別人の情報が登録されていたり、医療機関で「無効」と判断されて10割負担を求められる事例が相次いだ。さらに、マイナンバーに紐付けられている公金受取金口座が家族など本人以外の口座になっている事例が、何と13万件にのぼることも明らかになった。いずれも情報を紐付ける際の「人為的ミス」が原因だとデジタル庁は言うが、誤情報でも登録できてしまうシステム上の不備があるのは明らかだ。
「3時、4時まで残業」の真相
「こうした問題が起きるのは当初から予想されていました」と語るのは、デジタル庁関係者である。
「そもそもマイナンバーの氏名情報は戸籍と同様、漢字になっており、読み仮名のカタカナなどは登録されていません。一方、銀行口座の名義はカタカナで管理されているので、口座が本人のものかを照合することができないのです」(同)
デジタル大臣を務める河野太郎氏もこの点を認めている。自身のメルマガ「ごまめの歯ぎしり」6月8日号で、口座情報の誤登録について《今般の事案では、漢字氏名とカナ氏名の照合ができないことが根本的な課題でした》としたのだ。
さらに、このメルマガには驚くべきことが書かれていた。
口座情報の誤りには、自治体の窓口で前の人の情報を登録した後、ログアウトを忘れたことで同一口座が別人に紐付けられたものがあることが判明している。問題発覚後、デジタル庁では5400万件の登録口座のうち同一口座が複数人に登録されているものを抽出し、《漢字氏名とカナ氏名(外国人の場合はアルファベット氏名とカナ氏名)を目視で点検し、本人とほぼ確実に推測される組み合わせを除外》するなど、《全て機械的に処理することができず、人の目でみて判断する必要があったため、総点検に時間を要しました》と河野氏は書いている。
なんとデジタル庁が目視で点検していたというのだ。河野氏は記者会見で「朝の3時、4時まで残業という者(職員)もいる」と発言しネット上の話題をさらったが、とんだアナログ対応をしていたわけである。
結果、《誤登録の可能性が高いものが登録件数の約0・001%にあたる748件確認され》たとしている。わずか0・001%しかなかったと言いたいのかもしれないが、
《目視で点検》している以上、まだまだ漏れが生じている可能性はあるのではないか。
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そうした数々の問題を解決しないまま、マイナンバーカードの普及を急いだのはなぜか。デジタル庁に民間から出向しているIT専門家は言う。
「利便性が乏しいためマイナンバーカードを申請する動きが広がらず、マイナポイントを大盤振る舞いして交付率はやっと67%になりました。本来は氏名の読み仮名や英文表記などのデータの扱い方を決めた上で、マイナンバーのシステム自体を作り直すべきでした」
それをやらなかったのには理由があると、別の専門家が解説する。
「結局、屋上屋を重ねて、世界で最も複雑なシステムが出来上がりました。今後も問題は繰り返し出てくるでしょうが、
その度にシステム改修が必要になり、システム開発を担う大手ベンダーは儲かります。
出来の悪いシステムほどベンダーは儲かるという最悪のスパイラルに入っています」
河野氏は「人口550万人のシンガポールのデジタル庁は職員が3500人いる」と現在900人の日本のデジタル庁の人手不足を指摘する。縦割り行政の打破を名目に生まれたデジタル庁も、結局は新たな利権組織として肥大化していくのだろうか。
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