【吉原・老舗ソープ殺人事件】「きらびやかな人生を送っていることに殺意が芽生えた」逮捕された男(32)は進学目的で群馬から上京。地元では不気味なくらい存在感が薄く、勤務先の警備会社では無口無表情だったが…
同店は1度の来店で総額6万円を超える超高級店で、AさんはKカップ巨乳の人気嬢で、源氏名でのTwitterのフォロワー数も万単位あった。
5/15(月) 19:42配信
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集英社オンライン
東京・吉原の高級ソープランドで5月5日、人気泡姫が客に惨殺された。この凄惨な事件はなぜ起こったのか。容疑者の父親を直撃するなど、取材班が総力取材した。
【画像あり】吉原だけでなくインフルエンサーとしても人気があったAさん。
高級ブランドなどとも縁がなく堅実に暮らしていた
高級ブランドをひけらかすような感じの人ではなかった
警視庁浅草署は5月13日、東京都台東区千足のソープランド「Y」の個室内で女性従業員、Aさん(38)の首などをサバイバルナイフで刺し、殺害したとして警備会社契約社員、今井裕容疑者(32)=同足立区=を殺人容疑で逮捕した。今井容疑者は犯行後に自らの腹も刺し重傷を負っていたが、回復、退院したところを逮捕された。 調べによると今井容疑者は昨年3月から同店でAさんを数回指名・来店していたが、今年に入ってからはAさんが今井容疑者の指名を拒否するようになっており、事件当日は偽名で予約を入れていた。
今井容疑者は「今まで予約できていたにもかかわらず、今年の1月中旬あたりに、彼女に店の予約は出来ないと言われた」「自分は先の見えない人生を送らなければいけないのに、彼女はきらびやかな人生を送っていることに殺意が芽生えた」などと容疑を認めているといい、同署は指名拒否になったトラブルの経緯など、動機や背景を調べている。
同店は1度の来店で総額6万円を超える超高級店で、AさんはKカップ巨乳の人気嬢で、源氏名でのTwitterのフォロワー数も万単位あった。Aさんと同じマンションの住人で、吉原の別のソープランドで働く女性はこう表情を曇らせた。
「以前から源氏名のTwitterも見てましたし、マンションで見かけた時もかなり胸が大きかったので、ご本人とわかりました。見かけた時は控えめなニット姿でブランド品は身につけてなくて、会釈もしてくれて、美人で優しそうなお姉さんって印象でした。高級ブランドをひけらかすような感じの人ではなかったです。マンションの家賃も10万円代で一般的な金額ですし、そんな華やかでもないんです。 風俗で働いていると、変装してお客さんが来るっていうのはたまに聞く話ではあるんですよ。実際に私の友人も出禁客が変装して来た経験があって、かなり怖い思いをしたそうです。でもあんなに有名で結果を残していた人が酷い目にあうのは悲しいし、同じ職業の者として怖いですね」
一方の今井容疑者は群馬県出身で高校卒業後は地元で就職してしばらく働き、9年ほど前に上京。現在の仕事に就いたのはつい最近だったようだ。同じ寮の住人がこう打ち明けた。
「今井さんは事件を起こす2週間くらい前に契約社員として雇われて、その数日後に社員寮に入ってきました。ここは一軒家のルームシェアで個室が設けられてるので、基本的に顔を合わせることもなかったです。入ってきた時に『よろしくお願いします』とかの挨拶もなくて、いつも無口無表情で、コミュニケーションのない人でした。入ったばかりだったのでプライベートもまったく知りません。ただ仕事をサボったりはなかったと思います。 会社でも、入ってすぐにこんな問題を起こして消えるなんて、迷惑かつ嵐みたいなヤツだったなってみんな話してます。ここの仕事はおもに工事中の交通誘導で、現場もみんなバラバラなので一緒に仕事をしたこともなかったです」
正直、不気味なくらい存在感の薄い子でした
勤め先の警備会社社長も肩を落とす。
「この会社にいたのも短いですから、お話しすることがないんですよ。前職は、2年くらい別の警備会社で働いてたみたいです。警備会社から警備会社への移籍って、前の会社でちゃんと働いていたと認められた人しかできないんです。だから元々真面目に働いてたんだと思いますけど、プライベートなことまでは聞いてませんので…」
顔を合わせて間もない派遣警備員同士なら仕方がないが、今井容疑者は故郷の群馬県富岡市でも、近所では「不気味なくらい存在感の薄い子」と言われていた。 今井容疑者は男3兄弟の末っ子で、両親と祖母の6人家族は地元での付き合いもほとんどない一家として知られていた。 今井家の近くに住む40代の男性が語る。
「あのご一家の誰かが家の前で遊んでいたり、出かけるといった光景は一度も見たことないですね。中でも末っ子の裕くんはとにかく大人しいというか、道ですれ違って挨拶をしても無視されました。 ここら辺一帯は夏になると、隣保班(町内会)で神輿を出すことになっていて、普段は目立たないような子もほぼ全員が出て、神輿を引いたり太鼓を叩いたりするんですけど、今井さんのお家はお父さん以外見かけたことはなかったです。
近所の子たちが放課後や週末に学校のグラウンドで遊ぶときも、裕くんの姿は見かけたこともなかったし、正直、不気味なくらい存在感の薄い子でした。お父さんは土木関係の仕事をしていたので、朝早く出かけていくし、お母さんも道ですれ違っても、軽く会釈するくらいで、あまり世間話をしたこともありません。お母さんは近所のスーパーで調理を担当しているようです 。
この辺は田舎なので近所付き合いも深い地域なんですけど、裕くん含め、今井さん一家はとにかく存在感の薄いご家庭でした」 ひっそり目立たぬように育った今井容疑者は、高校を卒業して地元で就職したものの、9年ほど前に上京したという。 別の近隣住民男性はこう振り返る。
「裕くんは小さい頃から大人しくていい子で真面目すぎるくらいだったので、あんな事件を起こしてしまうなんて驚いてます。高校はあまり偏差値の高い学校ではなかったけど、卒業後も工場で真面目に働いてお金を貯めて、学校に行きたいから上京したって話を聞いた時も感心しました。
東京に出て少し経ったころに帰省した際には『とりあえず派遣で働いています』と元気そうだったので、真面目に頑張ってるなと思っていたのですが…」 近所付き合いが濃厚な地方の小都市で、周囲と孤立するように目立たない一家で成長した青年はなぜ、殺人者へと変貌したのか。
風俗嬢の住む世界をきらびやかだと思い込み、そこの住人になりたいと思い込んだ果ての絶望が凶行に駆り立てたのだろうか。困惑の淵に突き落とされた、今井容疑者の父親が激白する後半に続く。 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班