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藤井聡太七冠20歳、“無限の32手先”を読む107分の衝撃「藤井新名人は一番難しい中盤で誰よりも…」タイトル経験者も驚きを隠せず

2023年06月11日 11時03分03秒 | 文化と芸能



藤井聡太七冠20歳、“無限の32手先”を読む107分の衝撃「藤井新名人は一番難しい中盤で誰よりも…」タイトル経験者も驚きを隠せず(Number Web) - Yahoo!ニュース 

藤井聡太七冠20歳、“無限の32手先”を読む107分の衝撃「藤井新名人は一番難しい中盤で誰よりも…」タイトル経験者も驚きを隠せず
6/10(土) 11:02配信
1コメント1件

20歳にして最年少名人となった藤井聡太七冠。A級棋士・中村太地八段がその非凡さを解説する photograph by Keiji Ishikawa

 藤井聡太七冠(20)が最年少名人獲得を達成した第81期名人戦。渡辺明前名人(39)とともに、将棋の奥深さを知らしめる展開になった。その深淵を八大タイトルの「王座」獲得経験のある中村太地八段が解説してくれた(全2回の1回目/#2を読む) 

【貴重写真】「藤井くん15歳の私服姿、いつも和服かスーツだから新鮮…」


 第81期名人戦、藤井聡太竜王(以下、新名人)が4勝1敗で渡辺明名人(以下、前名人)を破り、最年少名人、さらに最年少七冠記録を達成しました。その歴史的な対局を見ていて、それぞれの対局者について感じたことを私なりの解釈でお話ししていければと。


藤井名人という対局相手だと、わずかなミスが…


 今期の名人戦を全体で振り返ると、掛け値なしで非常に高いレベルでの攻防が繰り広げられていました。特に中盤戦においては紙一重の展開になる対局が多く、その中のねじり合いの局面で、藤井新名人の方がわずかに高い精度で上回った。その結果が名人奪取に繋がったのかなと感じます。一方の渡辺前名人も、これまでの藤井新名人とのタイトル戦を受けて戦い方を何から何まで、一から見直して名人戦に挑んだなという印象で、すべてをかける意気込みを感じました。

  ファンの方だと、おふたりの対局と言えば非常にスピーディーに進む印象が強いかと思います。ただ渡辺前名人は今回の名人戦で藤井新名人の“エース戦法”と言える角換わりを避けて雁木模様で臨むなど、勝つ可能性を少しでも高めるものを全て用いていきました。作戦的にはある程度うまく運んでいた状態があったのですが……ほんの少しリードを奪いながらも、その後の展開で少しだけ噛み合わないところがあった結果、渡辺前名人としては形勢の優位さに結び付けられずに苦労した勝負になったのではと推察します。


  第5局直後の会見で、渡辺前名人は「4局目、5局目と負けた将棋の内容が特に悪かったので、そこは少し、残念な将棋だったですね」と語られていたそうです。悪かった部分とは、中盤の部分だったのでしょう。 

 次の一手の候補として3~4択ほどの分かれ道がある場面で、正解を選べていれば優位につなげて勝ち切れるルートを切り開けるかもしれない。

でもその“正しい道”を選ぶためには、指すにあたっての水面下の判断で“先の先”を繰り返して読んで、ようやく見つかるかどうかの判断を迫られていたのではと推察します。名人戦という舞台は、それだけ完璧な将棋が求められるという重みを感じます。普通の棋戦であれば「ほんのわずかなミスかな」くらいで片づけられそうな一手が、名人戦の舞台、さらに藤井新名人という対局相手であると勝敗の分かれ目になってしまう。その怖さを思い知りました。


すごみを感じた“藤井の107分長考”とは

 藤井新名人の視点で見た時、驚かされた代表例としては第1局の中盤にありました。 

 この対局の大盤解説会を担当され、感想戦の場にもいらっしゃった佐藤天彦九段もNHKの番組で触れていましたが

――藤井新名人が50手目に「3五歩」としたところからの思考に驚きを隠せないのです。この場面において藤井新名人は107分の時間を使う長考となりました。そして、この一手を指すにあたって水面下で82手目の「9八竜」まで考えられていたことが話題になりました。 

 そこに至るまでの思考プロセスはどうなっているのか。この局面を掘り下げてみると……将棋で中盤と呼ばれる状況の醍醐味、そして“藤井将棋”の凄みを感じられます。 

 この時点の展開は比較的読みやすい局面で、かなり深い段階まで考えられる状況ではありました。例えば……少し将棋が強い人であれば64手目の「4二角」、さらに強い人になると69手目の「4四同角」くらいまでたどり着いて、先手と後手のどちらが優勢なのかを考える。それがプロのトップレベルになると「7九金」という81手目までイメージできるような感覚です。


読みを打ち切らず、さらに深い読みを

 ただ藤井新名人の場合は、さらにもう1手先、本譜でも指された「9八竜」まで考えられていた。そこが衝撃でした。

「9八竜」は相手に手番(※玉に対して攻撃ができる状態)を渡す手です。そのため普通なら「竜を逃げてしまうようでは……」と考えて選択肢に入れず、読みを打ち切ってしまうもの。しかし藤井新名人はこの局面において、さらに1つ深い段階で読みを入れていたんです。

  将棋の展開は「序盤・中盤・終盤」と表現されます。AIの登場によって序盤も最新型の戦型がどんどん進化していますし、終盤は1つでも間違えれば敗着に至る恐怖感はあります。つまり、序盤も終盤も難しい(笑)。ただし序盤ならある程度定型化された戦型があったり、終盤は

――詰将棋がそうですが

――徹底的に理詰めで考えれば玉が詰むから勝ちに持っていけるなど、正解が導き出せるとも言えます。  

一方、中盤の段階はどのルートを選んでも「どちらが有利なのか?」という判断基準がしにくい状況なのです。先の候補手を読もうとすると「A、B、C、D」→「A1、A2、A3、A4、Ba、Bb、Bc、Bd」……と、樹形図のように大きく広がっていきます。そのため人間はAIのようにすべての局面を網羅して読み切ることは不可能で、それは藤井新名人であったとしても、です。そのため「読みを打ち切る」判断をするわけなのですが、その形勢判断をどこで打ち切るかという判断が問われる。プロでも一番難しい状況は中盤、と感じています。



32手先の数多くある未来の中で、藤井名人はすでに

 その中盤で、藤井新名人の非凡さが現れたのです。

  なにがすごいのか、というと……この局面を考えられるかどうかによって、どちらが優位に立っているのかが変化するからです。

「7九金」まで考えられる人なら、先手の渡辺前名人が優勢かなと判断しやすい。しかし藤井新名人は「読みを打ち切る」地点を、50手目の32手先である「9八竜」と一歩先に置きました。

 すると「7九金」では先手やや優勢に見えたところ、82手目の「9八竜」では後手やや優勢に変化していた。例えばこれが「7九金」と指された段階の局面で「9八竜」を候補手として形勢判断をするなら“後手やや優勢”との判断が下せるかと思うのですが……32手先の未来が無限のようにある中で、藤井新名人はすでにそれをできていたことになる。 

 なおAIの評価値は「その局面で両者が最善手を指し続けた場合」での評価です。現実に行われている水面下での読み合いでは、今挙げたように先手と後手の形勢がコロコロと変わっていく。その中で的確な判断を下していかなければいけません。対局者の頭の中でこういった水面下での思考が常に行われている。だからほかの棋士よりも1手、2手でも先が深く考えられている、藤井新名人のように

――正確に先を読んで見えている状態は、ものすごく大きなアドバンテージとなるのです。


渡辺前名人も非常に正確な判断を下すのに

 ちなみに局面に対する判断基準は大まかに「駒の損得」「自玉の囲いの堅さ」「手番はどちらが持っているか」「駒がどれだけ動いているか」などがあげられます。もちろんその時々の状況で判断する中で、渡辺前名人は普通のプロ棋士が30手先を考えなければいけないところを、20手ほどのレベルで非常に正確な判断を下せるのが強みと言われています。その力をもってあれだけスパッと決断をしてきたからこそ、多くのタイトルを取られてきたわけです。

  しかし藤井新名人は30~40手先を読みつつ、渡辺前名人並みに判断が正確という特徴があります。これまでも渡辺前名人よりも多く・深くの局面で読もうとするトップ棋士はいたのですが、そこを「正確に読む」という点で渡辺前名人を超えることができなかった。それを藤井新名人は成し遂げたと言えます。  

つまり、藤井新名人は現時点で誰よりも多い局面を、深くまで読めている。たとえて言うなら〈山登りをする中で、藤井新名人はいち早く高い地点に到達し、誰よりも遠くの景色を見ている〉ような状態にあるのでしょう。


藤井新名人は棋聖戦第1局、勝利しながらも…

 対局は変わりますが、5日にベトナムで行われた棋聖戦第1局、藤井棋聖は挑戦者の佐々木大地七段に先勝しました。最新型の角換わりで進んで複雑な終盤戦が面白い将棋だったのですが、藤井棋聖は勝利した中でも中盤で最善手を選べず、局面で優勢だったところを互角に戻して少々苦労した展開を反省していたことが話題になりました。  

結果にかかわらず反省する。その姿勢については〈自分自身がいい手を指せているか〉〈少しでも将棋の本質を理解しているか〉に重きを置いているからこその言葉なのかな、と感じました。

 なお名人戦の決着局となった第5局でも、藤井新名人に中盤での勝負手がありました。渡辺前名人の視点で何が見えていたのかを推察しながら、話を続けていきます。  

<#2につづく>













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