
ドイツが「アメリカからの独立」を目指して軍拡の準備を始める。米ではなく欧州の核の傘へ。独仏の連携強化(今井佐緒里) - エキスパート - Yahoo!ニュース
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ドイツが「アメリカからの独立」を目指して軍拡の準備を始める。米ではなく欧州の核の傘へ。独仏の連携強化
今井佐緒里
欧州/EU・国際関係の研究者、ジャーナリスト、編集者
3/3(月) 8:45
フリードリヒ・メルツ氏。2025年2月24日総選挙後の記者会見。ベルリンにて。(写真:ロイター/アフロ)
「私の絶対的な優先事項は、できるだけ早くヨーロッパを強化し、アメリカからの真の独立を徐々に獲得できるようにすることです」
これは、次期ドイツ首相となるであろうフリードリヒ・メルツ氏の宣言である。
2月23日日曜日、ドイツの連邦選挙が行われた。即日開票で第一党となったのは、中道右派と言われるキリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)だった。
そのCDUの党首メルツ氏は、選挙日の夜に宣言して、さらにこう言った。「こんなことをテレビで言うようになるとは、今まで思いもしませんでした」。
この選挙は、予測通り極右と言われる「ドイツのための選択肢(AfD)」が第二党になったために、そちらがフォーカスされていた。しかし、欧州大陸にとっては勝るとも劣らないほどの別の驚きが、このドイツの変化である。
あのドイツが・・・。これは歴史的な大転換である。
一体、どのくらいの軍事予算にするつもりなのだろうか。
メルツ氏は昨年12月初旬、ベルリンの連邦安全保障政策アカデミーで講演した。
その際に、将来的にドイツ連邦軍には「少なくとも年間800億ユーロ」が必要になると強調した。今のレート(1ユーロ約155円)で計算すると、約12兆4000億円である。1ユーロ130円で計算しても、10兆4000億円だ。
ちなみに、2025年度の日本の防衛予算案(米軍再編経費など含む)は、過去最大の8兆7005億円である。
第二次大戦後、ドイツは常に軍事的リーダーになることを避けてきた。
ウクライナ戦争が起こり、驚くべきことにドイツに侵略されたことのあるポーランド等の近隣国からも、ドイツがもっと武器を提供するべきだという声が起こり始めた。時代の大きな変化を感じさせたが、それでもショルツ首相は慎重な態度のままだった。
戦車の問題でも、ショルツ首相はずっとレオパルド2をウクライナに送ることを躊躇していた。アメリカの後塵を拝すことを望み、バイデン大統領(当時)が「M1エイブラムス」を送ると決めて、やっと首相も決断した経緯があったものだったのに。
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