(「河北新報」平成27年6月8日(月)付け記事より引用)
1973年に設立された知的障害者施設「船形コロニー」(宮城県大和町)の建て替えを含めた将来の在り方について、県は福祉関係者や研究者を交えた本格的な検討を始めた。建物の老朽化に加え、入所者の障害の重度化、高齢化などに対応できる施設整備を目指す。検討の背景には、県内の他の障害者施設の受け入れ状況の変化という事情もある。
検討会は5月中旬に発足し、課題整理やコロニーが果たすべき役割の確認、現地視察などを行った。今後は新たな施設規模や整備場所、実現に向けた具体策やスケジュールを月1回程度話し合い、8月下旬までに方向性をまとめる。
コロニーは県の施設で、大和町吉田の広さ47ヘクタールの敷地に居住棟3棟や体育館、訓練棟などが立つ。障害者210人が暮らし、退所後の就労支援や短期入所も手掛ける。
県障害福祉課によると、古い建物は築40年で老朽化が著しく、一部で雨漏りなどが発生。バリアフリー化に対応していないため、車いすでの移動が困難な場所もある。定員は300人だが、老朽化などの影響で受け入れ可能なのは210人にとどまる。
民間施設では受け入れが難しい重度障害者の受け皿になっており、全体的に入所者の障害の程度は重くなっている。高齢化も進み、平均年齢は51歳。65歳以上が21%を占め、医療的ケアの必要性も高まっている。
県内では同じく県立施設の障害児施設「啓佑学園」(仙台市泉区)が18歳以上でも必要と認めれば受け入れてきたが、2012年の児童福祉法改正で原則18歳未満に限定することになった。18歳以上が入所できる障害者施設「第二啓佑学園」(同)は30人の定員に達し、コロニーでの受け入れが求められる。
他方、家族からは「可能な限り自宅近くで生活できるよう地域ごとに受け皿を確保してほしい」という意見が出ている。14年度に3施設の在り方を話し合った県の検討会でも「グループホーム整備などで新たな居住の場をつくり、選択肢を増やすべきだ」との指摘があった。
県障害福祉課は「18歳以上の障害者が適切なサービスを受けられるようにする必要があり、コロニーの建て替えはその一環。入所者が安心して暮らせる環境整備を目指したい」と話す。
1973年に設立された知的障害者施設「船形コロニー」(宮城県大和町)の建て替えを含めた将来の在り方について、県は福祉関係者や研究者を交えた本格的な検討を始めた。建物の老朽化に加え、入所者の障害の重度化、高齢化などに対応できる施設整備を目指す。検討の背景には、県内の他の障害者施設の受け入れ状況の変化という事情もある。
検討会は5月中旬に発足し、課題整理やコロニーが果たすべき役割の確認、現地視察などを行った。今後は新たな施設規模や整備場所、実現に向けた具体策やスケジュールを月1回程度話し合い、8月下旬までに方向性をまとめる。
コロニーは県の施設で、大和町吉田の広さ47ヘクタールの敷地に居住棟3棟や体育館、訓練棟などが立つ。障害者210人が暮らし、退所後の就労支援や短期入所も手掛ける。
県障害福祉課によると、古い建物は築40年で老朽化が著しく、一部で雨漏りなどが発生。バリアフリー化に対応していないため、車いすでの移動が困難な場所もある。定員は300人だが、老朽化などの影響で受け入れ可能なのは210人にとどまる。
民間施設では受け入れが難しい重度障害者の受け皿になっており、全体的に入所者の障害の程度は重くなっている。高齢化も進み、平均年齢は51歳。65歳以上が21%を占め、医療的ケアの必要性も高まっている。
県内では同じく県立施設の障害児施設「啓佑学園」(仙台市泉区)が18歳以上でも必要と認めれば受け入れてきたが、2012年の児童福祉法改正で原則18歳未満に限定することになった。18歳以上が入所できる障害者施設「第二啓佑学園」(同)は30人の定員に達し、コロニーでの受け入れが求められる。
他方、家族からは「可能な限り自宅近くで生活できるよう地域ごとに受け皿を確保してほしい」という意見が出ている。14年度に3施設の在り方を話し合った県の検討会でも「グループホーム整備などで新たな居住の場をつくり、選択肢を増やすべきだ」との指摘があった。
県障害福祉課は「18歳以上の障害者が適切なサービスを受けられるようにする必要があり、コロニーの建て替えはその一環。入所者が安心して暮らせる環境整備を目指したい」と話す。