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埼玉県について新聞、本、雑誌、インターネット、TVで得た情報に基づきできるだけ現場を歩いて書くエッセー風百科事典

B級グルメ王決定戦 加須市

2010年11月23日 05時46分26秒 | 食べ物・飲み物 狭山茶 イチローズモルト 忠七めし・・・
B級グルメ王決定戦 加須

観光資源が少ない埼玉県では、B級グルメで訪問客を増やそうと、年に二回、各地で「埼玉B級ご当地グルメ王決定戦」を開いている。その第七回目が小春日和の10年11月21日の日曜日、県北の加須市であった。

埼玉県のB級グルメには、食い気より、一つの社会現象として興味があるので、またまた出かけた。群馬や栃木県に近いため、両県から7品が初参加し、出品点数は過去最多の40品に上るという触れ込みである。

加須と言っても、何と読むのか、どこにあるのか、わからない人が多いだろう。「かす」と読むのはいかにもかわいそうだ。「かぞ」と読むのである。

ある郷土史家は、「日本書紀」に「須」を「そ」と読む記載を発見、「加須(かそ)」と表記していたのが、「加津」「神増」「加増」などと書かれるようになり、再び「加須」の戻ったという仮説を立てている、という記事が読売新聞の埼玉版に載っていた。「須」を「ぞ」と読むようになった理由は未解明だという。

東武伊勢崎線で、東武動物公園と久喜で乗り換える。最近、漫画ファンに人気が出てきた鷲宮(わしのみや)駅の北隣が会場に最も近い花崎駅だった。急行が停まる駅ではない。

着いたのはお昼近く。驚いたのは人出である。歩いて15分の距離だというのに会場まで人並みが続いている。後で聞くと7万人の人出。ちなみに加須市の人口は約12万人だ。B級グルメを開きたい気持ちがよく分かる。会場の「はなさき水上公園」は人々々であふれていた。

「加須はうどんで有名。どこか開いているだろう」と公園から中心部まで歩いてみることにした。

ついでに「どこが有名な店ですか」と尋ねる。「加須駅からは遠いですよ」。そうなればとことんまでと、その店を訪ねると、「グルメ決定戦で臨時休業」の張り紙があった。

この日王座に選ばれた「加須市みんなで考えた肉味噌うどん」に関係した冷や汁が売り物の店だったのだ。

決定戦に先立ち、「手打ちうどんを使ったアイデア料理コンテスト」をしたところ、千件を超す応募があり、市内の主婦のうどん料理が選ばれた。

それを基に加須市の「手打ちうどんの会」の会員たちが、試行錯誤を重ねて出来上がったのが、文字どおり「加須市みんなで考えた」肉味噌うどんだったという。

うどんに肉味噌と温泉卵を乗せ、薬味に辛味噌とネギがついていて、かき混ぜて食べるのだそうだ。

加須の駅前にコシの強さとのど越しの良さが売りの「手打ちうどんの会」の案内図が立っている。そのうどん屋に市民のアイデアを結集した新名物料理が登場するわけで、B級グルメならではの快挙だ。

出品作のそれぞれにはこんな話があるのだろう。

「加須の地名の由来は、元禄の頃、穀物の生産量が『加増』したからという説がある。利根川の氾濫による肥沃な土で小麦の栽培が行われ、旅人や商人、不動尊への参拝客にうどんを供したのが、加須名物手打ちうどんの発祥といわれる」と埼玉新聞には書かれていた。




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