明月記 建永二年 六月 二日。終日甚雨。雨を凌ぎて参上す。和歌所に於て尊智を召し、大井河の絵様を書かしむ。又、一日の部類歌の中、猶出すべき歌多く、御点を給ふ。仍て之を出す。又新古今の歌少々之を出す。昏黒に退出す。序に英豪の輩を載す。筋力の窮屈、一身に在り。