スメタナ『わが祖国』より「ブルタバ(モルダウ)」-プラハの風景- 【字幕ONで説明あり】
その河は靜かに流れ
ゆっくりと春を告げながら光輝く
我が祖国は、ベドルジフ・スメタナの代表的な管弦楽曲で、1874年から1879年にかけて作曲された6つの交響詩からなる連作交響詩。第2曲ブルタバ(ドイツ語名モルダウ)が特に著名である。初演は1875年4日4日、プラハ国民劇場である。スメタナは、以下の詩をこの曲で述べている。
この曲は、ヴルタヴァ川の流れを描写している。ヴルタヴァ川は、Teplá Vltava と Studená Vltava と呼ばれる2つの源流から流れだし、それらが合流し一つの流れとなる。そして森林や牧草地を経て、農夫たちの結婚式の傍を流れる。夜となり、月光の下、水の妖精たちが舞う。岩に潰され廃墟となった気高き城と宮殿の傍を流れ、ヴルタヴァ川は聖ヤン(ヨハネ)の急流 で渦を巻く。そこを抜けると、川幅が広がりながらヴィシェフラドの傍を流れてプラハへと流れる。そして長い流れを経て、最後はラベ川(ドイツ語名:エルベ川)へと消えていく。
ハプスブルグ家の支配から民族独立しようとするチェコ人の気運の高まりと共に、この曲は演奏された。
靜(静の旧字体)と言う単語は、青い争と書く。漢字の成り立ちは、左辺は、草・木が地上に生えてきた象形(主)と井げたの中の染料(着色料)の象形(丹)」(「青くすみきる」の意味)と「ある物を上下から手で引き合う」象形(爫)と「力強い腕の象形が変形した文字」(彐亅)で爭(「あらそう」の意味)から、争いが「すみきる・しずまる」を意味する「静」となったと辞書にはある。
各地の戦争が治まる、静まる事を願うのみ。