きうちうにだいす ぶんそうくはうてい
宮中題 文宗皇帝
輦路生秋草上林花滿枝憑高
何限意無復侍臣知
れんろしうそうをしやうじじやうりんはなえだにみつ
たかきによるなんのかぎりのいをまたじしんのしるなし
此詩は、文そうのおしこめられての時の詩也。
れんろの御なり道も、秋のくさかすへ
しげり、はるは、上りんに心なく、はるが
ちくさみつて、きろうなとき上りて
みれば、かぎりなきおもひなれども、だれも
そばにいるしんかのしるものなくと也。
宮中題 文宗皇帝
輦路(れんろ)秋草を生じ、
上林、花枝に満つ。
高きに憑(よ)る、何の限りの意を、
復、侍臣の知る無し。