七月
三十日。天晴る。所に参ず。又一夜の歌等、新古今に切り入れる。夜に入りて宿候す(番)。
建永元年七月二十八日当座歌合
後鳥羽院
雨中無常といふことを
亡き人のかたみの雲やしぐるらむゆふべの雨にいろはみえねど
被忘戀のこころを
袖の露もあらぬ色にぞ消えかへる移ればかはる歎せしまに
定家
被忘戀のこころを
むせぶとも知らじな心かはら屋にわれのみたけぬ下の煙は
家隆
被忘戀のこころを
知られじなおなじ袖には通ふともたが夕暮とたのむ秋かぜ
俊成女
被忘戀のこころを
露はらふねざめは秋の昔にて見はてぬ夢にのこるおもかげ
寄風懷舊といふことを
葛の葉のうらみにかへる夢の世を忘れがたみの野べのあきかぜ
通光
寄風懷舊といふことを
浅茅生やそでにくちにし秋の霜わすれぬ夢を吹くあらしかな
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