新古今和歌集の部屋

仙覚遺跡


仙覚律師遺跡碑 碑文

         日本弘道會會長従二位勲二等伯爵徳川達孝篆額
         東京帝國大学文學部講師文學博士佐佐木信綱撰文
    仙學律師は中世に於ける萬葉學再興の租なり。建仁三年東國に生る。年十三
仙覺  始めて萬葉集の研究に志し寛元四年将軍藤原頼経の命を受けて幾多の舊
    本を参照し初度の校定本を作り古来いまだ讀み得ざりし百五十二首の歌に
    新に訓點を加へたりき。建長五年その新點の歌を後嵯峨上皇に奉りしに
    叡感斜ならず御製一首を賜はりぬ。弘長元年さらに校勘努め文永二年
律師  再度の校定本を作れり。また別に萬葉集註釋の筆を起こし博引旁證至らざる
    なく同六年四月その大著を完成せり。時に齢六十七なりき。この地は武蔵
    國比企郡北方麻師宇郷に當たり實にその著の稿を脱しせし所なりといふ
    今茲昭和三年は文永六年より計へて六百六十年なれば鄕人相謀りて記念
遺跡  の碑を建つ。嗚呼律師の業績はかの集と共に萬葉に朽ちず。その光
    永く學界を照さん。
     昭和三年四月                    前國學院大學講師岡山高蔭書
    
                                      曽根多志三刻


裏面

     郷の名はとこしへに
新墾の道をひらきし  ○源信綱
    功とはに麻師宇の

     仙覺律師遺跡保存會


新墾の道を開きし功とはに麻師宇の郷の名はとこしへに  佐佐木信綱


南側からの道

贈従四位
萬葉學者 仙覺遺跡 

東側からの道

中城跡
〒355-0328 埼玉県比企郡小川町大塚 大塚338
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