新古今和歌集の部屋

絵本木曽義仲一代記 実盛の最後 蔵書



 
上り
たり。
手塚これを
     見て
       郎等
        を討せじと馳せ
         並べて敵の鎧
  △       袖に掴付き    ◑申
越し三人組み     曳音出      せば
合ながら馬より     して鎧     存ずる昔
下に落たりける実    を       なるゆゑ
盛手塚の郎等を押へ   △         名乗すじ。
刀を抜きて首を掻落す。            木曽殿は

其間に手塚は実盛が               御覧じ知るべしと
弓手の草摺引上                 ばかりにて終に名乗れ
て柄も透れと指                      ず。侍士か
通し軈て上に乗り                       と大将
水もたま                            ろ若
らず頸をうち                          ぎる
落せう。手塚は                         老武
其首を郎等に                          者か
持せて木曽義仲                          何
の前に行き申                           者
しけるは光盛た                         なる
ゞ今癖物の頸取                         らん
て◯名乗と◑                          と
                                いふ
                               つぎへ
 
△→△、◑→◑の順に読む。◯は擦れて見えない文字。
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