阿仏尼
我こころうつゝともなし
宇津の山
夢にも遠き
都こふとて
読み 我こころ うつつともなし 宇津の山
夢にも遠き 都こうとて
出典 細川永青文庫蔵
『いさよひ日記』(一二七九年成立)
作者 阿仏尼は鎌倉時代中期の女流歌人で、
藤原為家の側室となり『十六夜日記』
の作者として知られる。
書 岡部町内谷 佐藤律子
十六夜日記
宇津の山越ゆる程にしも、阿闍梨の見知りたる山伏行あひたり。夢にも人をなど、昔をわざとまねびたらん心地して、いと珍かに、おかしくも哀れにもやさしく覚ゆ。急ぐ道なりと言へば、文もあまたはえ書かず。たゞやむごとなき所一つにぞ音信れ聞こゆ。
我心うつゝ共なし宇津の山夢にも遠き都恋ふとて
蔦楓時雨れぬ隙も宇津の山涙に袖の色ぞ焦がるゝ
今宵は手越といふ所にとゞまる。
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