心敬私語(日本歌学体系 第五巻 P294)紀貫之は一首を廿日に詠ぜしとなり。宮内卿は血を吐しとなり。公任卿はほの/"\の歌は三とせ迄案じ給へると云り。長能は公任卿に歌を難ぜられて死す。(うらめしき年にもある哉廿日あまり九日といふに春はくれけり。此歌ヲ難ズ)もろこしの潘岳とやらんは、詩を沈思して三十にて白翁となれるといへり。佛法に最上醍醐味といへるは、いかにもねれるこゝろをいふなるべし。