しをれつゝ返りけるとなん。これはか乃院の御あた り乃事をしるせる文に侍き。なにとなくミす くし可たくて可き乃せ侍なるへし。 萎れつゝ、返りけるとなん。 これは、彼の院の御辺りの事を記せる文に侍き。 何と無く、見過ごし難くて、書き載せ侍なるべし。