345 秋来ては幾日も有らじ吹く風の身に沁むばかり成りにけるかな
あききてはいくかもあらしふくかせのみにしむはかりなりにけるかな 続古今
346 葦鴨の払ひもあへぬ霜の上に砕けて掛かる薄氷かな
あしかものはらひもあへぬしものうへにくたけてかかるうすこほりかな 続古今 重複
347 狩衣乱れにけらし梓弓引馬の野辺の萩の下露
かりころもみたれにけりなあつさゆみひくまののへのはきのあさつゆ 続古今 重複 萩の朝露→246萩の下露
348 霰降る後の笹原節侘びて更に都を夢にだに見ず
あられふるのちのささはらふしわひてさらにみやこをゆめにたにみす 続古今 重複
349 細石の中の思ひの打ち付けに燃ゆとも人に知られぬるかな
さされいしのなかのおもひのうちつけにもゆともひとにしられぬるかな 続古今
350 尋ぬればそことも言はず成りにけり頼めし野辺のもづの草茎
たつぬれはそこともいはすなりにけりたのめしのへのもすのくさくき 続古今
351 辛くともさてしも果てし契りしに有らぬ心も定めなければ
つらくともさてしもはてしちきりしにあらぬこころもさためなけれは 続古今
352 君を待つみず知らざりし古の恋しきをさへ歎きつるかな
きみをまつみすしらさりしいにしへのこひしきをさへなけきつるかな 続古今
353 吹く風も長閑けき御代の春にこそ心と花の散るは見えけれ
ふくかせものとけきみよのはるにこそこころとはなのちるはみえけれ 続拾遺
354 結ぶべき末も限らじ君が代に露の積もれる菊の下水
むすふへきすゑもかきらしきみかよにつゆのつもれるきくのしたみつ 続拾遺
355 高砂の尾上の霞立ちぬれど猶降り積もる松の白雪
たかさこのをのへのかすみたちぬれとなほふりつもるまつのしらゆき 新後撰 他人の歌の誤入
356 露のみに結べる罪は重くとも漏らさじ物を花の台に
つゆのみにむすへるつみはおもくとももらさしものをはなのうてなに 新後撰
357 住み慣れし跡を忍ぶる嬉しさに漏らさず掬ふ身とは知らずや
すみなれしあとをしのふるうれしさにもらさすすくふみとはしらすや 新後撰
358 然らでだに身に沁む秋の夕暮に松を払ひて風ぞ過ぐなる
さらてたにみにしむあきのゆふくれにまつをはらひてかせそすくなる 玉葉集
359 出でて来し都は雲に隔たりぬ末も霞の幾重なるらむ
いててこしみやこはくもにへたたりぬすゑもかすみのいくへなるらむ 玉葉集
360 今はとて影を隠さむ夕べにも我をば送れ山の端に月
いまはとてかけをかくさむゆふへにもわれをはおくれやまのはにつき 重複
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