左衛門督家通中将に侍りける時祭の使にて かんだちに泊りて侍りける曉齋院の女房の 中よりつかはしける よみ人知らず 立ち出づるなごりありあけの月影にいとどかたらふ時鳥かな 返し 左衛門督家通 いく千世と限らぬ君が御代なれどなほ惜しまるる今朝の曙 藤原家通は永暦元年(1160年)~永万二年(1166年)左近中将で、この時の斎院は式子内親王。定家同母姉の高松院新大納言を妻とした。 撰者は、定家。作者は定家の姉の斎院女別当か?