新古今和歌集の部屋

読癖入清濁付伊勢物語 六段 芥川 蔵書

   しらたまか
    なにぞと
     人のとひ
      し
  つゆと  とき
   こたへて
きえ
 な
まじ
 ものを
 

 

 

 

 

 

むかし、男有けり。女のえうまじかりけるを、年をへて、よばひわたり

けるを、からうじて、ぬすみ出て、いとくらきにきけり。あくた川といふかわ
         くさ
をゐて、いきければ、草のうへに、をきたりけるつゆを、かれは何ぞとなん、
                     をに
男にとひける。行さきおほく、夜もふけにければ、鬼有所友しらで、神さへ

いといみじう成あめもいとうふりければ、あばらなるくらに、女をばおく
       ゆみ
に、をし入て、男弓やなぐひをおひて、とぐちにをり、はや夜もあけなん
           をに
と思ひつゝゐたりけるに、鬼はや一くちに、くひてげり。あなやといひけれど、

神なるさはぎに、えきかざりけり。やう/\夜もあけ行にみれば、ゐで

こし女もなし。あしずり、をして、なけどもかひなし
新古今
  しら玉かなにぞと人のとひし時つゆとこたへてきえなまじ物を
      きさき
これは二条の后の、いとこの女御の御もとにつかうまつるやうにてゐ給

へりけるを、かたちのいとめでたく、おわしければ、ぬすみておひて出たり

けるを、御せうどほり川のおとゞ、太郎くにつねの大なごん、まだげらう

にて、内へまいり給ふに、いみじうなく人有を聞付て、とゞめて取かへし

たまふてげり。それをかくおにとはいふなりけり。まだいとわかうて

きさきのたゞにおわしける時となり

 


新古今和歌集巻第八 哀傷歌
 題知らず        在原業平朝臣

読み:しらたまかなにぞとひとのといしときつゆとこたえてけなましものを

意味:あれは真珠の玉ですかと聞かれて露ですよと答えた人は今はもう露のように消えてしまった。そんなことならもっと夢のある違うように言うべきだった。

備考:伊勢物語第六段

コメント一覧

jikan314
Shanxi様
コメント嬉しいです。
実は、江戸時代一番刊行されたのは伊勢物語だそうです。
つまり八つあんや熊さんも読んだと言う事になります。寺子屋などで、教えたのでは無いでしょうか。
この伊勢物語自体も和歌の教科書として作られたと言う説もあるそうです。
私も江戸時代の本を読む練習で、短歌の勉強になります。ちょうど良い短さです。
又御覧頂ければ幸いです。
霜枯れの朝日だけでも元気良く
(今日も晴れていますがとても寒くちじこまっています。)
3948Thankyoufoureight
自閑314先生。

お疲れ様です。

恋愛話みたいな内容の物も話には書かれてあるのですね。

大衆文学にしては民衆にまだ分からない時代だと思います。

江戸時代に絵草紙本とか、歌麿や写楽などの描き絵雑誌、大衆本、瓦版などが文芸を拡げたのかも知れませんね。

口コミとその他に個人で楽しむ文藝も後に発展する江戸文化の走りとなったのでしょうか?

時代の時系列が良く分からなくてすみません。

先生、これからもお身体お労りつつ励まれてくださいませ。

お疲れ様です。

おやすみなさい。

Shanxi(394)Japan.
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