定家の、 春の夜の夢のうき橋とだえして峯に別かるゝよこ雲の空 (新古今 春歌上 38 藤原定家朝臣) の哥は、春の夜の夢打覺めて見出したれば、峯によこ雲の立ち別るゝ折也。そのなりをそのまゝにてよくいひ出したる也。 夢のうき橋とだえして峯に別るゝ といへるが、能くつゞきて面白き也。