新古今和歌集の部屋

雨の表現

雨という日本語をgoo辞書大辞林より調べてみました。159語。季語は太文字にしております。

あお‐しぐれ【青時雨】
青葉の木立から落ちる水滴を、時雨に見立てた語。《季 夏》

あき‐さめ【秋雨】
秋に降る雨。しゅうう。《季 秋》「―や水底の草を踏み渡る/蕪村」

あき‐しぐれ【秋時雨】
秋の末に降るしぐれ。《季 秋》「―いつもの親子すずめかな/万太郎」

あき‐ついり【秋入梅/秋黴雨】
《「あきつゆいり」の音変化という》梅雨のように降り続く秋の雨。《季 秋》「はてもなく瀬のなる音や―/史邦」〈猿蓑〉

あさ‐あめ【朝雨】
朝の雨。朝に降りだす雨。

あたたかい‐あめ【暖かい雨】
降水の成因による雨の分類の一。大気中の水蒸気量が多く、雲粒が合体して成長することで形成される雨。→冷たい雨

あめ【雨】
1 大気中の水蒸気が冷えて雲ができ、雲の中で成長した水滴が地上に落ちてくる現象。また、その水滴。氷晶を含む雲から降る冷たい雨のほか、熱帯地方などの氷晶を含まない雲から降る暖かい雨もある。「―が上...

いちみ‐の‐あめ【一味の雨】
雨が一様に草木をうるおすように、仏の教えがどのような人々にも行きわたること。

いん‐う【淫雨】
長く降りつづく雨。長雨。

いん‐う【陰雨】
1 しとしとと降りつづく陰気な雨。 2 空が曇って雨が降ること。

うん‐う【雲雨】
1 雲と雨。 2 《「呉志」周瑜伝による。竜は雲や雨に乗じて昇天するとされるところから》大事業を起こす機会。「―に乗じて雄飛する」 3 《楚の懐王が、朝は雲となり夕には雨となると称する女に夢の中...

えき‐う【液雨】
秋から冬にかけて短時間降る雨。立冬のあと10日を入液、小雪(しょうせつ)を出液といい、このころに降る時雨(しぐれ)。《季 冬》

えぞ‐つゆ【蝦夷梅雨】
梅雨のころ、北海道の太平洋側で雨が多く降る現象。オホーツク海高気圧から冷たく湿った風が吹くことによって起こる。→梅雨 [補説]梅雨前線はふつう北海道に到達する前に衰えるため、本州のような梅雨はみ...

えん‐う【煙雨】
煙るように降る雨。きりさめ。

おお‐あめ【大雨】
大量に降る雨。「―注意報」⇔小雨(こさめ)。

おくり‐づゆ【送り梅雨】
梅雨明けのころの雨。雷を伴うことが多く、集中豪雨になることもある。

かい‐う【怪雨】
つむじ風で巻き上げられた土砂や魚・虫などが、雨にまじって降ってくるもの。

かえり‐づゆ【返り梅雨】
「戻り梅雨」に同じ。《季 夏》

かた‐しぐれ【片時雨】
空の一方では時雨が降りながら、一方では晴れていること。《季 冬》

から‐つゆ【空梅雨】
梅雨期間にほとんど雨の降らないこと。降雨量のごく少ない梅雨。てりつゆ。《季 夏》「―ときはまる空の照りまさり/万太郎」

かん‐う【甘雨】
ほどよいときに降って草木を潤し育てる雨。慈雨。

かん‐う【寒雨】
寒々と降る冬の雨。「―蕭々時に過ぎ、凍風烈々地に吼(さけ)び」〈織田訳・花柳春話〉

かんく‐の‐あめ【寒九の雨】
寒九に降る雨。豊作の兆(きざし)として喜ばれる。《季 冬》

かんてん‐の‐じう【干天の慈雨】
日照り続きのときに降る、恵みの雨。待ち望んでいた物事の実現、困っているときにさしのべられる救いの手にたとえる。

き‐う【祈雨】
降雨を神仏に祈ること。あまごい。《季 夏》

き‐う【喜雨】
日照り続きのあとに降る雨。慈雨。《季 夏》「―到る絶えて久しき戸樋(とひ)奏で/虚子」

き‐さめ【樹雨】
木の葉や枝についた霧が水滴となって落ちること。また、その水滴。

きた‐しぐれ【北時雨】
北の方から降ってくる時雨。《季 冬》

きたやま‐しぐれ【北山時雨】
1 京都の北山の方から降り渡る時雨。 2 「北山3㋐」に同じ。「あいつおれには―だよ」〈滑・浮世床・二〉 3 「北山3㋒」に同じ。「どうやら腹も―」〈滑・旧観帖・初〉

きちがい‐あめ【気違い雨】
晴れたかと思うと、また急に降ってくる雨。

きゅう‐う【急雨】
にわか雨。驟雨(しゅうう)。

きょう‐う【強雨】
強く、激しく降る雨。

きり‐あめ【霧雨】
「きりさめ」に同じ。

きり‐さめ【霧雨】
霧のような細かい雨。水滴の直径0.5ミリ未満をいい、低い層雲から降る。糠雨(ぬかあめ)。小糠雨。きりあめ。《季 秋》

くろい‐あめ【黒い雨】
核兵器、原子炉事故等による核爆発で生じた放射性物質と、高熱で瞬時に燃焼した家屋、樹木の煤(すす)などが強い上昇気流に乗って高空に達し、発生した雨雲から雨となって落下したもの。煤が溶け込んで黒い。...

けい‐う【恵雨】
1 日照り続きのときに降って、農作物をうるおす雨。慈雨 ...

けい‐う【軽雨】
ほんの少し降る雨。小雨。微雨。

ゲリラ‐ごうう【ゲリラ豪雨】
予期せず短時間に、狭い地域で大量に降る雨を、奇襲を行うゲリラにたとえた語。ゲリラ雨。→集中豪雨 [補説]気象庁では、その地域にとって災害の発生につながるような、まれにしか観測しない雨量であること...

ゲリラ‐らいう【ゲリラ雷雨】
短時間に狭い地域で大量に降る雷雨。→ゲリラ豪雨

こ‐あめ【小雨】
「こさめ」に同じ。

こう‐う【紅雨】
1 春、花に降りそそぐ雨。 2 赤い花の散るようすを雨にたとえていう語。

こう‐う【降雨】
雨が降ること。また、降る雨。

こう‐う【膏雨】
農作物をうるおし、生育を助ける雨。恵みの雨。甘雨。「旱魃(かんばつ)に枯れかかった稲の穂が―を得たように」〈漱石・行人〉

こう‐う【好雨】
待ち望んでいるときに、ちょうど降る雨。

ごう‐う【豪雨】
激しい勢いで大量に降る雨。雨量がきわだって多い雨にいう。「集中―」

こうばい‐の‐あめ【黄梅の雨】
梅の実が黄色く熟するころに降る雨。梅雨。つゆ。

こく‐う【黒雨】
空を暗くするばかりに降る大雨。

こく‐う【穀雨】
《穀物を育てる雨の意》二十四節気の一。4月20日ごろ。《季 春》「伊勢の海の魚介豊かにして―/かな女」

こくふう‐はくう【黒風白雨】
《「白雨」はにわか雨のこと》激しい風が吹き荒れ、強い雨が降ること。

こ‐さめ【小雨】
少し降る雨。小降りの雨。また、細かい雨。「―に煙る港」⇔大雨。

こぬか‐あめ【小糠雨】
雨滴が霧のように細かい雨。ぬか雨。

ごふう‐じゅうう【五風十雨】
《5日に一度風が吹き、10日に一度雨が降る意》 1 天気が順調で、農作のために都合がよいこと。 2 世の中が安泰であること。

さい‐う【細雨】
こまかい雨。ぬかあめ。きりさめ。

さいか‐う【催花雨】
春、早く咲けと花をせきたてるように降る雨。

さつき‐あめ【五月雨】
「さみだれ」に同じ。《季 夏》

さ‐みだれ【五月雨】
《「さ」は五月(さつき)などの「さ」、「みだれ」は水垂(みだれ)か》 1 陰暦5月ごろに降りつづく長雨。梅雨。つゆ。さつきあめ。《季 夏》「―を集めて早し最上川/芭蕉」 2 断続的にいつまでもだ...

さよ‐しぐれ【小夜時雨】
夜降る時雨。《季 冬》

さん‐う【山雨】
山から降りはじめる雨。また、山に降る雨。山中で出あう雨。

ざん‐う【残雨】
雨があがったあと、まだぱらぱらと降る雨。降り残りの雨。なごりの雨。

さんせい‐う【酸性雨】
大気中の二酸化硫黄や窒素酸化物が溶け込んでいて酸性度の強い雨。動植物その他に被害を与える。

じ‐あめ【地雨】
一定の強さで長く降りつづく雨。

し‐う【糸雨】
糸のように細い雨。細雨(さいう)。

じ‐う【時雨】
1 ちょうどよいときに降る雨。 2 しぐれ。

じ‐う【慈雨】
万物を潤し育てる雨。また、日照り続きの時に降る雨。恵みの雨。「干天(かんてん)の―」《季 夏》

しぐれ【時雨】
1 秋の末から冬の初めにかけて、ぱらぱらと通り雨のように降る雨。《季 冬》「天地(あめつち)の間にほろと―かな/虚子」 2 「時雨煮」の略。 3 涙ぐむこと。涙を落とすこと。また、その涙。「十月...

しっぷう‐もくう【櫛風沐雨】
《「晋書」文帝紀から。風で髪をすき、雨でからだを洗うの意》風雨にさらされて苦労すること。さまざまな苦労をすることのたとえ。風に櫛(くしけず)り雨に沐(かみあら)う。

しば‐あめ【屡雨】
断続的に降る雨。にわか雨。むらさめ。

しぶき‐あめ【繁吹き雨】
激しく吹きつけて降る雨。

しゅう‐う【秋雨】
秋に降る雨。あきさめ。

しゅう‐う【驟雨】
急にどっと降りだして、しばらくするとやんでしまう雨。にわか雨。夕立。《季 夏》「地下鉄道―に濡れし人乗り来る/誓子」 [補説]書名別項。→驟雨

しゅうちゅう‐ごうう【集中豪雨】
局地的に、比較的短時間に多量に降る強い雨。昭和28年(1953)ごろから新聞などで使われはじめ、しだいに気象用語として定着した。→ゲリラ豪雨

しゅく‐う【宿雨】
1 連日降りつづく雨。ながあめ。霖雨(りんう)。 2 前夜からの雨。

しゅん‐う【春雨】
春に降る雨。春の雨。はるさめ。

しょう‐う【小雨】
少し降る雨。こさめ。

しょう‐う【請雨】
雨が降るように神仏に祈ること。雨乞い。

じん‐う【甚雨】
ひどく降る雨。大雨。豪雨。

すい‐う【翠雨】
草木の青葉に降る雨。緑雨。

ずい‐う【瑞雨】
穀物の生長を助ける雨。慈雨。

せい‐う【晴雨】
晴天と雨天。晴れと雨。「―にかかわらず実施する」

せき‐う【積雨】
長く降り続く雨。ながあめ。

そ‐う【疎雨】
まばらに降る雨。「颯々たる西風に―を吹き来て」〈菊亭香水・世路日記〉

そが‐の‐あめ【曽我の雨】
《曽我兄弟があだ討ちをした陰暦5月28日は雨であったところから》陰暦5月28日に降る雨。

そぞろ‐あめ【漫ろ雨】
小降りだが、いつまでもやまずに降る雨。「あやめ刈る鵺(ぬえ)のうき巣や―/樵花」〈虚栗〉

そでがさ‐あめ【袖笠雨】
袖笠でしのげるほどのわずかな雨。「―のやどりにも心とどめぬかり枕」〈浄・歌念仏〉

そで‐しぐれ【袖時雨】
袖に涙が落ちかかるのを、しぐれにたとえていう語。袖のしぐれ。「月もかたぶく胸の闇、髪のおくれのばらばらと、子に迷ひゆく―」〈読・本朝酔菩提・三〉

そで‐の‐あめ【袖の雨】
着物の袖をぬらす雨。悲しみの涙で袖がぬれることのたとえ。「またひとしきり―、晴間はしばしなかりけり」〈逍遥・桐一葉〉

そで‐の‐しぐれ【袖の時雨】
「袖時雨(そでしぐれ)」に同じ。「野山のけしき、まして―をもよほしがちに」〈源・椎本〉
そろそろと北山時雨(きたやましぐれ)
「来た」に「北山」の「きた」を掛け、そろそろやって来たということをしゃれていった言葉。→北山時雨

たい‐う【大雨】
おおあめ。豪雨。

た‐う【多雨】
雨の日が多いこと。また、雨量の多いこと。

たけのこ‐づゆ【筍梅雨】
《伊勢・伊豆地方の船乗りの言葉から》たけのこの出る陰暦4、5月ごろに吹く南東風のこと。湿気が多く、雨を伴うことが多い。筍流し。《季 夏》

だん‐う【暖雨】
暖かい雨。春の雨をさす。

ちょううん‐ぼう【朝雲暮雨】
《楚(そ)の懐王が夢の中で契りを交わした神女が、朝には雲に、夕暮れには雨になると言ったという、宋玉「高唐賦」などにみえる故事から》男女の堅い契り。→巫山(ふざん)の雲雨

つめたい‐あめ【冷たい雨】
降水の成因による雨の分類の一。大気中の氷晶が固体のまま合体して成長し、これが融けて雨になったもの。融けきれずに降ると、雪やみぞれになる。氷晶雨。→暖かい雨

つゆ【梅雨/黴雨】
6月ころの長雨の時節。また、その時期に降る長雨。暦の上では入梅・出梅の日が決められているが、実際には必ずしも一定していない。北海道を除く日本、中国の揚子江流域、朝鮮半島南部に特有の現象。五月雨(...

つゆ‐しぐれ【露時雨】
露が一面におりて時雨にぬれたようになること。また、草木においた露が、時雨の降りかかるようにこぼれること。《季 秋》「父恋ふる我を包みて―/虚子」

てっぽう‐あめ【鉄砲雨】
激しく降る弾丸のような大粒の雨。「用意に持つや袂迄―のしだらでん」〈浄・忠臣蔵〉

てり‐あめ【照(り)雨】
日照り雨。天気雨。

てり‐つゆ【照(り)梅雨】
「空梅雨(からつゆ)」に同じ。

てりふり‐あめ【照(り)降り雨】
照ったり降ったりして定まらない空模様。

てんき‐あめ【天気雨】
日が照っているのに雨が降ること。狐(きつね)の嫁入り。日照り雨。

とう‐う【凍雨】
1 氷のように冷たい冬の雨。寒雨。 2 雨滴が空中で凍り、透明な氷の粒となって降ってくる現象。また、その氷の粒。

とおり‐あめ【通り雨】
さっと降って、すぐやむ雨。

とら‐が‐あめ【虎が雨】
陰暦5月28日に降る雨。この日曽我祐成が斬り死にし、それを悲しんだ愛人の虎御前(とらごぜん)の涙が雨となったといわれる。曽我の雨。虎が涙。《季 夏》「寝白粉香にたちにけり―/草城」

なが‐あめ【長雨/霖】
長く降り続く雨。霖雨(りんう)。

なが‐つゆ【長梅雨】
梅雨入りから梅雨明けまでの期間が長いこと。状況によって、降雨量の大幅な増加や日照不足につながることがある。

ながめ【長雨/霖】
《「ながあめ」の音変化》長く降りつづく雨。和歌では多く「眺め」と掛けて用いる。「つれづれと―ふる日は青柳のいとどうき世にみだれてぞふる」〈紫式部集〉

なたね‐づゆ【菜種梅雨】
菜の花の咲く3月下旬から4月にかけて、連日降りつづく寒々とした小雨。《季 春》「―念仏の膝(ひざ)つめあはせ/信子」

ななつさがり‐の‐あめ【七つ下(が)りの雨】
午後4時過ぎに降り出した雨。大概は長く降り続くので、なかなか終わらないもののたとえにいう。

なみだ‐あめ【涙雨】
1 悲しみの涙が化して降ると思われる雨。 2 ほんの少し降る

にわか‐あめ【俄雨】
急に降りだしてまもなくやんでしまう雨。驟雨(しゅうう)。

ぬか‐あめ【糠雨】
霧のような細かい雨。霧雨。こぬかあめ。

のり‐の‐あめ【法の雨】
仏法が衆生(しゅじょう)をあまねく慈(いつく)しみうるおすことを、雨にたとえていう語。法雨(ほうう)。「よそに聞く袂のみこそそぼちけれあまねく―はそそげど」〈伊勢集〉

はい‐う【沛雨】
沛然と降る雨。激しく降る雨。

ばい‐う【梅雨/黴雨】
6月上旬から7月上・中旬にかけて、本州以南から朝鮮半島、揚子江流域に顕著に現れる季節的な雨。梅雨前線上を小低気圧が次々に東進して雨を降らせるもの。入梅の前に走り梅雨(づゆ)の見られることが多く、...

はく‐う【白雨】
明るい空から降る雨。にわか雨。

ばく‐う【麦雨】
麦が熟するころ降る雨。五月雨(さみだれ)。

はしり‐づゆ【走り梅雨】
梅雨に先立って、ぐずつく天候。梅雨の前触れ。《季 夏》

はつ‐しぐれ【初時雨】
その年初めて降る時雨。《季 冬》「―猿も小蓑(こみの)をほしげなり/芭蕉」

はな‐の‐あめ【花の雨】
桜の花に降りそそぐ雨。また、桜の咲くころの雨。《季 春》「風に汲む筧(かけひ)も濁り―/久女」

はや‐さめ【暴雨/速雨】
にわか雨。夕だち。群雨(むらさめ)。驟雨(しゅうう)。「沙本(さほ)の方より―零(ふ)り来て」〈記・中〉

はる‐さめ【春雨】
1 春、しとしとと静かに降る雨。しゅんう。《季 春》「―やものがたりゆく簑(みの)と傘/蕪村」 2 緑豆(りょくとう)のでんぷんから作った透明な麺(めん)状の食品。吸い物・酢の物・鍋物などに用い...

ひ‐う【飛雨】
風に飛ばされながら降る激しい雨。

び‐う【微雨】
わずかに降る雨。細雨。小雨。

ひ‐さめ【大雨/甚雨】
おおあめ。ひどい雨。「大風―に避らず」〈武烈紀〉

ひ‐さめ【氷雨】
1 雹(ひょう)や霰(あられ)のこと。《季 夏》 2 冷たい雨。また、みぞれ。《季 冬》

ひじがさ‐あめ【肘笠雨】
にわか雨。ひじあめ。ひじかさ。「―とか降りきて」〈源・須磨〉

ひでり‐あめ【日照り雨】
日が照っているのに雨が降ること。また、その雨。天気雨。そばえ。狐(きつね)の嫁入り。

ひと‐あめ【一雨】
1 ひとしきり降る雨。ひとしめり。「―欲しいところだ」 2 雨が一度降ること。「―ごとに春めく」

ひなた‐あめ【日向雨】
日が照っているのに降る雨。日照り雨。

ひふう‐さんう【悲風惨雨】
悲しみを誘う風とむごい雨。苦しみの多い人生や生活をいう。「―ならび至り、力なく光なく」〈独歩・わかれ〉

ひょうしょう‐う【氷晶雨】
⇒冷たい雨

ふう‐う【風雨】
1 風と雨。「―にさらす」 2 強い風をともなって降る雨。あらし。「―をついて行く」

ふざん‐の‐うんう【巫山の雲雨】
《宋玉の「高唐賦」の、楚(そ)の懐王が昼寝の夢の中で巫山の神女と契ったという故事から》男女が夢の中で結ばれること。また、男女が情を交わすこと。巫山の雲。巫山の雨。巫山の夢。朝雲暮雨。

ぼ‐う【暮雨】
夕ぐれに降る雨。

ほう‐う【法雨】
仏語。仏の慈悲が衆生(しゅじょう)をあまねく救うことを、雨が万物を潤すことにたとえた語。のりのあめ。

ぼう‐う【暴雨】
激しく降る雨。

ぼうふう‐う【暴風雨】
激しい風を伴った雨。台風や発達した低気圧によって起こる。あらし。

ぼん‐う【盆雨】
水の入った容器をひっくり返したような雨。大雨。豪雨。

むら‐さめ【群雨/叢雨/村雨】
ひとしきり激しく降り、やんではまた降る雨。にわか雨。驟雨(しゅうう)。

むら‐しぐれ【群時雨/叢時雨/村時雨】
晩秋から初冬にかけて、ひとしきり降ってはやみ、やんでは降る小雨。《季 冬》

めぐみ‐の‐あめ【恵みの雨】
1 大地をうるおして草木を生育させる雨。慈雨。また一般

もう‐う【猛雨】
激しくふる雨。

もう‐う【濛雨】
あたりをうす暗くして降る小雨。

もく‐う【沐雨】
雨に降られてずぶぬれになること。「櫛風(しっぷう)―」

もどり‐づゆ【戻り梅雨】
梅雨が明けたあとに、再び梅雨のような状態に戻ること。返り梅雨。《季 夏》

やらず‐の‐あめ【遣らずの雨】
帰ろうとする人をひきとめるかのように降ってくる雨。

ゆう‐しぐれ【夕時雨】
1 夕方に降る時雨。《季 冬》「きそひうつ五山の鐘や―/子規」 2 名香の名。沈(じん)の一種。

よこ‐あめ【横雨】
風のために横なぐりに降る雨。

よ‐さめ【夜雨】
夜降る雨。やう。

らい‐う【雷雨】
かみなりを伴う激しい雨。《季 夏》

りょう‐う【涼雨】
夏に、涼しさをもたらす雨。《季 夏》「雷が残して行きし―かな/月斗」

りょく‐う【緑雨】
新緑の季節に降る雨。《季 夏》

りん‐う【霖雨】
何日も降りつづく雨。ながあめ。

れい‐う【冷雨】
冷たい雨。

れい‐う【零雨】
静かに降る雨。こさめ。「―寒雲忽ち放擲(ほうてき)せられて」〈雪嶺・偽悪醜日本人〉

れい‐う【霊雨】
人々の望むときに降る恵みの雨。慈雨。

れん‐う【連雨】
連日降りつづく雨。霖雨(りんう)。

わたくし‐あめ【私雨】
ある限られた地域だけに降るにわか雨。特に、下は晴れているのに山の上だけに降る雨。



番外
さんかはくう【山下白雨】
葛飾北斎による風景版画のシリーズ「富嶽三十六景」の作品の一。広がった富士の裾野には黒雲と稲妻、空には入道雲が描かれている。黒富士。→三大役物



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