見るまゝ な
に お で
露ぞ く し
心 こ れ こ
も ぼ にし の
知ら るゝ 花
ぬ
後拾遺集 哀傷
一條院うせさせたまひてのちなでしこのはなの
はべりけるを後一條をさなくおはしましてなに
ごゝろもしらでとらせたまひければおぼしいづ
ることやありけん
上東門院
みるまゝにつゆぞこぼるゝおくれにしこころもしらぬなでしこのはな
05:18
中 宮 父上の死を知らず、撫子の花を手にしている我が子が。
中 宮 見るままに露ぞこぼるる遅れにし心も知らぬ撫子の花
藤式部 中宮樣が御歌を御詠みになるのを初めて聞きました。
中 宮 亡き御門と歌を交わし合いたかった。もっともっと、一緒に語り合いたかった。笑い合いたかった。
中 宮 敦成も、敦良も、もっともっと御門に抱いて頂きたかった。
敦成親王 母上。はい。
中 宮 ありがとう。