新古今和歌集の部屋

春歌下 藤原俊成 井手玉川図屏風 宮内庁三の丸尚蔵館 絵はがき




百首歌たてまつりし時
   皇太后宮大夫俊成
 
  駒とめて
なほ水かはむ
 山吹の
  はなの
   露そふ
 井出の玉川
 
 

 
新古今和歌集巻第二 春歌下
 百首歌たてまつりし時
            皇太后宮大夫俊成
駒とめてなほ水かはむ山吹のはなの露そふ井出の玉川
 
よみ:こまとめてなほみずかわむやまぶきはなのつゆそういでのたまがわ 隆 隠
 
意味:ここで馬を止めて、なお馬にも水を飲ませてゆっくりしよう。満開の山吹の花の露も落ちて流れている井出の玉川の水なのだから。その間に私は山吹の花を鑑賞しよう。
 
備考:備考:文治六年三月五社百首で春日社奉納山吹。本歌:ささのくま檜隅川に駒止めてしばし水かへ影をだに見む(古今集巻第二十 神遊びの歌)。詠歌一体で花の露そふは、制詞とされる。露と玉は縁語。井手の玉川は山城の歌枕で、山吹、蛙の名所。
 


宮内庁三の丸尚蔵館
 
 旧桂宮家伝来



井手玉川図(井手玉川大井川図屏風のうち)狩野探幽画
元は八条宮家(桂宮)所有で、桂宮家から寄贈され、御物となった。
 
令和2年11月17日 點四/八枚
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