おもはくの橋ふまゝうきもみぢのにしきちりしきて人もかよはぬおもはくのはし 山家集 下雑 古りたる棚橋を紅葉の埋みたりける、渡りにくゝてやす らはれて、人に尋ねけれは、おもはくの橋と申すはこれな りと申しけるを聞きて踏まゝ憂き紅葉の錦散り敷きて人も通はぬおもはくの橋 信夫の里より奥へ二日ばかり入りてある橋なり拙訳踏むのも躊躇する程、紅葉の錦が見事に散ったまま敷いている橋は、他の人も遠慮して、渡る人もいないおもはくの橋だな。