新古今和歌集の部屋

羈旅歌 業平 伊勢物語八段 浅間嶽 筆者不明懐紙コレクション



むかしおとこ有けり

  京やすみうかりけむ

    あづまの方に
         ゆきて

  すみ所もとむとて

     ともとする
       人

      ひとり
         ふたり
         して
          ゆき
            けり



しなのなる

浅まの

にたつけぶり

遠近人の

みやはとがめぬ



新古今和歌集巻第十 羇旅歌

東の方に罷りけるに淺間の嶽に立つ煙の立つを見てよめる

             在原業平朝臣

信濃なる淺間の嶽に立つけぶりをちこち人の見やはとがめぬ

読み:しなのなるあさまのたけにたつけむりおちこちひとのみやはとがめぬ 隠

意味:信濃の浅間山の噴煙を近隣の人はなぜ咎めないのだろうか。恋の想いは静かにしているのに、あんなに自分の意思を表に出しているのは浅ましいと。

備考:伊勢物語 八段


伊勢物語八段

むかし、をとこありけり。京や住み憂かりけむ、あづまの方に行きて住み所もとむとて、友とする人ひとりふたりして行きけり。 (信濃の國、淺間の嶽にけぶりの立つを見て、)

信濃なる淺間の嶽にたつ煙をちこちの人の見やはとがめむ

打曇懐紙

33.5×48.8cm

令和2年2月23日 參

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