兼載雑談一、ついたち頃の夕月夜といふは、七日以前の月をばいつもいふべし。源氏にも見えたり。西行歌に、 ねがはくは花の下にて春しなむ其の二月の望月の頃かくて建久元年二月十六日に死す。日たがふといふ人あり。無相傳の事なり。望月の頃とあれば、十四日十五日十六日十七日の間を言う。西行(元永元年〈1118年〉 - 文治六年二月十六日〈1190年3月31日〉)ねがはくは花のしたにて春死なむそのきさらきのもちつきのころ新古今和歌集巻第十八雑歌下だいしらず西行法師ねがはくは花のもとにて春死なむそ如月の望月のころ読み:ねがはくははなのもとにてはるしなむそのきさらぎのもちづきのころ意味:願いが叶うなら桜が咲く木の下の春に死にたいものだ。その2月の満月の頃、調度釈迦が涅槃に入った日に。備考:切出歌。新古今和歌集抄出聞書(陽明文庫)大阪府河南町弘川寺西行墳雜歌下切出歌西行