伊利麻治能
於保屋我波良能
伊波為都良
比可波奴流奴流
和尓奈多要曾尓
孝書
武田祐吉 訓訳釈
万葉集巻第十四 東歌 3378
入間道の大家が原のいはゐつら引かばぬるぬる吾にな絶えそね
右九首武蔵國歌
入間郡に行く道の大家が原のイハヰツラのように、引いたらぬらぬらとわたしの方に切れないで下さい。
※イリマヂノ
埼玉県入間郡。
※オホヤガハラノ
倭名類聚抄に「武藏國入間郡大家 於保也介」とあり、川越市の東南大井村(現ふじみ野市)としている。
※イハヰツラ
蔓性植物と思われるが、不明。3416歌により沼に生える植物。スベリヒユと思われる。
万葉の歌碑
入間道のおほやが原の
いはゐつら引かばぬるめる
吾に絶えそね
万葉集巻第十四三三七八の東歌
で、大谷沢の地とのかかわりが語
り継がれている。
文学博士犬養孝先生揮毫により
この歌碑が大谷沢の地に建立でき
たのは、この地に住む人々の郷土
愛の賜物である。
文化の香り高いまちづくりをめ
ざす人々に万葉の詩心が永く受け
継がれるよう祈念してやまない。
平成元年十一月二十五日
日高町教育委員会