新古今和歌集の部屋

真名序 尊純親王筆断簡コレクション




新古今和歌集序
夫和歌者群德之祖百福之宗也玄象天成
五際六情之義未著素鵞地静三十一
字之詠甫興尓来源流寔繁




真名序読み下し文
それ和歌は、群徳の祖、百福の宗なり。
玄象天成り、五際六情の義未だ著れず、素鵞の地静かに、三十一字の詠はじめて興る。
しかしてより、源流まことに繁く、(長短異なりといえども、或は下情を抒べて聞に達し、或は上徳を宣べて化を致し、或は遊宴につらなり懐を書し、或は艶色を採りて言を寄す。)

真名序意訳文
それ和歌は、様々な徳の祖、百福の根源である。日、月、星などの天ができて、歌の基である五つの人間関係である君臣、親子、兄弟、夫婦、朋友と六つの感情である喜び、怒り、哀れみ、楽しみ、愛、悪の区分がまだはっきりとしていなかった神代の時代に、出雲の素鵞の地で、静かに、素戔嗚尊の三十一字の歌が始めて興った。それ以来、その歌の源流はまことに繁栄し、(長歌短歌の形式があるとといえども、ある時は下々の意見を詠んで天皇のお聞に達し、ある時は陛下の徳を宣べて民を教化し、ある時は遊宴に出席して懐を書き、ある時は、男女の情愛や四季の美しさを採って言葉にしてきた。)
https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/8bba71d960e2a13722c0f21e82e15630




尊純法親王 - Wikipedia
天正19年(1591年)- 承応2年5月26日(1653年6月21日))
江戸時代前期の天台宗の僧。父は応胤法親王。母は福正院。
1598年(慶長3年)天台宗青蓮院第48世の門跡に入る。
1607年(慶長12年)良恕法親王から灌頂を受けた。
1615年(元和元年)大僧正に任じらる。
1640年(寛永17年)に親王宣下を受け、尊純と号した。
1644年(正保元年)天台座主173世となった。
1647年(正保3年)には二品に叙せられ、1653年(承応2年)天台座主177世に就任している。
書に秀でていた。

日本書蹟大鑑 小松茂美 尊純親王

清「淺」の三水と「源流」の三水が同じ。









一 職人「哥」合と和「歌」の下の口が同じ。

結論
サンプルが草書ばかりで、楷書との比較は難しいが、いくつか似ている部分もあるので、伝は取れないが伝尊純親王筆とする。
新古今和歌集の真名序は、未だ未だ続くが、繁で終わっており、四行の行間隔と紙端までの間隔が広いので、この四行だけを書いたものと推察され、断簡とは言えない。

令和元年12月16日 壱
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「新古今和歌集」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事