鴨 長明
袖にしも
月かゝれとは
契り置かず
涙はしるや
宇津の山越へ
読み 袖にしも 月かかれとは 契置かず
涙はしるや 宇津の山越え
出典 新古今和歌集(一二〇五年成立)
作者 鴨長明は鎌倉時代前期の歌人で、
有名な随筆『方丈記』の作者
として知られている。
書 岡部町子持坂 古川絹枝
新古今和歌集巻第十 羇旅歌
詩を歌にあはせ侍りしに山路秋行
といふことを
鴨長明
袖にしも月かかれとは契り置かず涙は知るやうつの山ごえ
よみ:そでにしもつきかかれとはちぎりおかずなみだはしるやうつのやまごえ 隠 無
意味:袖に涙で月がこの樣に懸かれとは約束していた訳ではないが。涙はその訳を知っているのだろうか。秋の宇津の山越えの旅路の哀れを。
備考 元久詩歌合。斯かれと懸かれの掛詞。
つたの細道公園
藤枝市岡部町岡部