世の中のあはれにはかなきことを、攝津守爲頼朝臣といふ人
世の中にあらましかばと思ふ人なきは多くもなりにけるかな
これを聞きて、東宮の女藏人小大君、返し
あるはなくなきは數そふ世の中にあはれいつまであらんとすらん
とぞ。
小野宮の實資の中納言、式部卿の御女、花山院の女御に通ひたまふといふこと出できたれば、一條の道信の中將さしおかせける、
うれしきはいかばかりかは思ふらん憂きは身にしむ心地こそすれ
われも懸想じきこえけるにや。
※あるはなく
新古今和歌集哀傷歌
題しらず 小野小町
世の中にあらましかばと思ふ人なきは多くもなりにけるかな
これを聞きて、東宮の女藏人小大君、返し
あるはなくなきは數そふ世の中にあはれいつまであらんとすらん
とぞ。
小野宮の實資の中納言、式部卿の御女、花山院の女御に通ひたまふといふこと出できたれば、一條の道信の中將さしおかせける、
うれしきはいかばかりかは思ふらん憂きは身にしむ心地こそすれ
われも懸想じきこえけるにや。