前田家本 方丈記 飢餓10 一条よりは南九条より北京極より西朱雀より東の路のほとりなる首
ち一条よりみなみ九条よりき た京極よりにし朱雀よりひ んかしのみちのほとりなるかし らすへて四万二千三百あまりな むありけり。いはんやその前後 にしぬるものおほくまたかは...
前田家本 方丈記 飢餓9 稚き子の猶乳を吸いつつ
このなをちをすいつゝふせる なともありけり。仁和寺に隆曉 法印といひける人かくしつゝかすも しらす死ぬ事をかなしみてひし りあまたかたらひてそのかふへの みゆることにひた...
加賀の千代女を紹介します
江戸時代、女性が俳句をするのはとても珍しく、加賀の千代女は、卓越した感性と表現力で全...
前田家本 方丈記 飢餓8 深き者 必ず先だちて死ぬ。
きものはかならすさきたちて死 ぬ。そのゆへはわかみをはつきにし て人をいたはしくおもふあひた にまれ/\えたるものをもまつ かれにゆつるによりてなり。 されはおやこあるも...
前田家本 方丈記 飢餓7 すべき方無き者、古寺に至りて仏を盗み
つぬれはすへきかたなきものゝ ふるき寺にいたりて佛をぬす み堂のもののくそくをやふりて わりくたけるなりけり。ちよくせ にしもむまれあひてかゝるこゝろ うきわさをなんみ侍...
前田家本 方丈記 飢餓6 山賤も力尽きて
かつもちからつきてたきゝさへ ともしくなりゆけはたのむかた なき人はみつからいゑをこほち ていちにいてゝうる。十人かもちて いてたるあたひなを一日かいのち にたにをよはす...
前田家本 方丈記 飢餓5 すなはち倒れ伏しぬ
はちたふれふしぬ。ついちのつら みちのほとりにうれへしぬるも のゝたくひかすもしらす。とり すつるはきはもしらねはくさき かせかいにみちみちてかはりゆく ありさまめもあて...
前田家本 方丈記 飢餓4 あまさへ疫癘うち添ひて
さへゑきれいうちそひてまさゝ さまにあとかたなし人みな下 意し死にけれは日をへつゝきは まりゆくさま小水のうをの たとへにかなへり。はてにはかさう ちきあしひきつゝみよろ...
前田家本 方丈記 飢餓2 地を捨てて境を出で
てゝさかひをいてあるひはいゑを わかれて山にすむ。さま/\の御い のりはしまりてなへてならす ほうともをこなはるれともさら にそのしるしなし。京のならひ なにわさにつけて...
前田家本 方丈記 飢餓1 久しくなりて確かに覚えず
なりてたしかにもおほえす。二 年かあひたよのなか飢渇して あさましき事侍き。あるひは 秋大かせおほ水なとよからぬ事 ともうちつゝきて五こくこと/\く ならす。 むなしく春...