藤裏葉 宰相、盃をもちながら、けしきばかりはいしたてまつり給へるさま、いとよしあり。 ...

藤袴 おなじのの露にやつるゝふぢばかまあはれはかけよかことばかりもみちのはてなるとか...

常夏 　されど、わたり給ひて、御かたちをみ給ひ、いまは御ことをしへたてまつりたまふに...

蓬生 　いまはかぎりなりけり、としごろあらぬさまなる御さまを、かなしういみじきことを...

明石 　京よりも、うちしきたる御とぶらひども、たゆみなくおほかり。のどやかなる夕月夜...

須磨 すまには、としかへりて日ながくつれ／ヾなるに、うへしわか木のさくらほのかにさき...

須磨 すまにはいとゞ心づくしの秋風に、うみはすこしとをけれど、ゆきひらの中納言の、せ...

賢木 　れいならぬ日かずもおぼつかなくのみおぼさるれば、御文ばかりぞしげうきこえ給め...

正保四年　　二十一代集 新古今和歌集　上ノ二 巻第六冬歌～巻第十羇旅歌 新古今和歌集...

葵 　このひめ君を、いまゝでよ人もその人ともしりきこえぬも、物げなきやう也、ちゝ宮に...