藤袴
おなじのの露にやつるゝふぢばかまあはれはかけよかことばかりもみちのはてなるとかや、いと心づきなくうたてなりぬれど、みしらぬさまに、やをらひきいりて、
たづぬるにはるけき野べの露ならばうすむらさきやかとならし
かやうにてきこゆるより、ふかきゆへはいかゞとの給へば、すこしうちわらひて、
竹河
少將なりしも、三位中將とかいひておぼえあり。
かたちさへあらまほしかりきや
など、なま心わろきつかうまつり人はうち忍びつゝ
うるさげなる御有さまよりは
などいふもありて、いとおしうぞみえし。比中將は、猶思そめし心たえず、うくもつらくも思ひつゝ、左大臣の御むすめをえたれど、おさ/\心もとめず、みちのはてなるひたち帯のと、てならひにも、ことぐさにもするは、いかにおもふやうのあるにか有けん。
第十一 戀歌一 題しらず よみ人知らず
東路の道のはてなる常陸帯のかごとばかりも逢ひ見てしがな
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