OUR HOME ISLAND - いおうとう(硫黄島)

戦前に在住していた島民が、戦後の小笠原返還後も故郷に帰ることが許されていない硫黄島についての情報発信をいたします。

父島 海洋センターでウミガメと会いました(7) 絶滅危惧種のウミガメたちの産卵場所

2009年07月04日 | 硫黄島・小笠原村
写真は南島の扇池の手前の砂浜です。
ウミガメが這った跡を撮影することができました。

この場所は、昨年の同じ時期には、産卵された場所であることを示して、
踏まないように注意するようにという棒が立てられていました。

絶滅危惧種のウミガメが増えるのには、
ウミガメが産卵できる浜、安全に泳げるきれいな海が必要です。


アルビノのウミガメの赤ちゃんの写真・ニュースを
ナショナル・ジオグラフィックのニュース・ガジェットで見つけました。
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=2009062601
(ナショナル・ジオグラフィックのニュース・ガジェットは、
当ブログの6月22日投稿記事「パラファーム2009 「田植え」に参加」
に、ブログパーツはりつけしていましたが、
こちらの記事にパーツ貼り付け場所を移します。この記事の一番、
下にありますので、ご覧ください。)

アルビノの赤ちゃんウミガメ、元気に育つといいですね。
下の水槽に、赤ちゃんたちがたくさん、写っているのも見えます。


アルビノの成長したウミガメは、父島の小笠原海洋センターにいて、
会ってきました。元気に泳いでいました。
(コータくん ほど、やんちゃでは、なかったです。)

ナショナル・ジオグラフィックのこのニュースを見て、思ったことは、
「タイには海軍が運営するウミガメ保護施設があることが
分かる。各地で保護をしている人たちがいるのは心強い。」
ということでした。

今年、海洋センターでウミガメたちに出会って、
絶滅危惧種の保護ということに興味を持ち検索して調べてみると

沖永良部島ウミガメネットワーク
など、小笠原とならぶ日本のウミガメ生息地
南西諸島(沖縄、奄美諸島)での、保護活動の状況などが多く報告されているのを
見つけることができました。

小笠原だけでなく、沖縄で、奄美で、タイで、保護活動がされています。
ウミガメが棲める美しい海、浜を守るということは、
絶滅危惧種のウミガメを危機から救うことのためだけではなく、
ウミガメが棲める自然環境を保護していくことは
他の希少生物を含めた生態系全体にも大切なことだと感じました。


ウミガメが産卵に戻れる浜を含めて
植物も固有種が多い小笠原の貴重な自然の姿を後世に残そうと
守っていこうとなさっている小笠原の皆さんと、


「今は帰ることができない硫黄島に戦前は豊かな島民の生活
があったことが忘れされれて風化してしまうことがないようにして、
墓参訪島への参加や「集い」などのを通じて、一日も早い帰島の
実現に向けて活動を続ける」私ども硫黄島島民 
には、
「以前にはあった。今は活動しないと消えるかもしれない。後世に
残す努力が必要。」という点が共通していると思いました。



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父島 海洋センターでウミガメと会いました(6) 保護と教育

2009年07月04日 | 硫黄島・小笠原村
今回、書いている ウミガメ シリーズは、ほとんど、
6月16日の海洋センター見学の時に、
父島在住の、ブログ「エンジョイ!島ライフ」の「青い鳥@小笠原」さん、
が、案内して教えて下さった内容です。

卵から子ガメが孵るのは夜だそうです。子ガメたちは、砂浜から、「暗い方ではなく明るい方へ」という選択で、海を目指すのだそうです。
「自然では、夜は、陸と海では海の方が明るいから。」と、教えてもらいました。
確かに、真っ暗な陸地よりも海の方が、月明かりもあったりで、明るいはずだと
思います。
ところが、照明の灯りなどで、(大昔からのウミガメたちの生活、繁殖行動の歴史の全期間の中では、島に照明などがない期間が大半だった) 「明るい方へ」という、生まれたての子ガメの本能行動が、「内陸方向へ」ということになって、陸に迷ってしまう場合もあるそうです。

海洋センター ニュース
http://bonin-ocean.net/cgi.script/sfs2_diary/sfs2_diary/
に、ありますように「カメ110番」が、発見時の緊急連絡先になっています。
生まれたばかりのカメばかりでなく、産卵のための親ガメも迷走してしまう
そうです。

写真は、海洋センター ニュースでも紹介されている
「カメ注意」の交通標識です。

海沿いの都道にありました。特別にこの標識を探そうとしなくても
普通にスクーターで走っていれば、必ず目に入って分かる地点に
ありましたので、スクーターを停めて小休止して撮影しました。


海洋センターには、
ウミガメの体内から発見されたビニール袋など
(前回の記事で紹介のソニーのホームページで
写真家の方が書いて下さっている沖縄のカメの様子のご報告にも
ウミガメがビニールを食べてしまう、という話が載っていました。)
の異物が、展示されていました。

カメたちが海藻と間違えて食べてしまって、危険なことに
なるそうです。
小笠原に観光で行かれる方は、ビニールなどのゴミを
海に捨てたりしないようしていただく必要があります。

ゴミが多い海では、カメたちは生活できませんから、
きれいな海の小笠原を守って、カメたちが、安全に生活、繁殖できて
ウミガメが増えるようにしていかないといけません。


父島では、「カメ110番」「カメ注意の標識」「産卵場所の調査から
卵の保護」「パトロール」などのさまざまな保護の活動をして
下さっていますし、
小学校5年生の卵を育てる実習を含めて、ウミガメについて、
多くの教育をしてくれています。

小笠原の生徒たちは、
こちら内地の学校では教わることがない、ウミガメについての学習 
と、
中学校2年生での硫黄島についての学習と訪問を体験して
大きくなっていきます。
彼らが社会に出てから活躍するということは、心強い限りです。

今年の慰霊祭での中学生代表の言葉にも「この学習を忘れません。」という
力強い思いのこもった言葉がありました。

絶滅危惧種全般については、こちらの学校でも習っているでしょうが、
ウミガメが近くにいる環境で、ウミガメたちを育てたり観察したりながら
まなぶという機会を体験する小笠原の子供たちの、活躍を応援したいと思います。
(礼儀正しく、のびのびとして、物怖じしない生徒、学生たちが多いな、と
思います。)


いろいろと考えているウミガメ里子の名前について、
小笠原に一緒に行った二人にもアイディアを出し合うようにと
言ったところ、届いたのは、「たわし(亀の子)」というような
がっかりさせられるレベルの低い案、、、。
小笠原の自然の美しさを思わせるような雄大で、
ウミガメの繁殖と、
硫黄島に思いを寄せて平和を祈念するような名前にするべく、
頑張って、考えています。
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