渡部
「例えば、町からちゃんとした古本屋がなくなりました。かっぱらい
が多いからなんです。50年前は、古本屋には入り口に店員が一人いる
だけで、広い店内をカバンを持って自由に行き来できていました。盗
もうと思えばいくらでも盗めたけれども、盗む人はいなかったんです。
ところが今はそんな状況ではなくなって、高価な本を扱う古本屋は、
予約を取らなければ入れなくなったし、行くとガチャンと錠を開けて
入れてもらわなければなりませんし。
私は、非常に立派なキリスト教徒を知っていますから、キリスト教が
人間を作るということはよくわかっています。しかし、社会に対する
指導力というものはものすごく弱っていると思います。
それは無理もないことだと思うのです。
例えば「旧約聖書」の中で、神様がいちばん嫌ったのは何かというと、
ホモなんですよ。
ホモが流行ったソドムとゴモラの町を、神様は滅ぼしています。と
ころがいまは、キリスト教の牧師がホモを告白したり、ホモ同士で
結婚をしたりして、あなたたちはバイブルを読んだのかと言いたく
なるよな状況です。
そういうところにもキリスト教の道徳力が非常に弱まっているのを
感じるんです。いまも日本もいろいろ問題はありますが、そういう
海外事情と比べると、まだいいと私は思います。
