■■■■■■■■■コロナとの闘い■■■■■■■■■
■「巣籠りの効用」
●「武漢コロナ」による年寄りの巣籠りが続く。
何時まで続くのかも定かでない。連日の首相や知事の3蜜回避
コールを聞くと、外に出て他人と会うのもいささか疎まれる。
ビジネスマンは、テレワークとかでインタネットを介して仕事
が運ぶからまだしも、格別仕事を持たない年寄りは、平常以上
に家に滞留することを強制されるから 気分的に大変である。
運動や交流の場も減るし 孤立して生活のリズムを崩して鬱に
なる高齢者も多いと聞く。
しかも武漢コロナは、そんな年寄りを狙い打ちするという。
さらにコロナが怖いのは、この病気の場合 亡くなるまでが非
常に短く、イタリアの例ではわずか8日。志村けんさんも10日
足らずで帰らぬ人となってしまった。
●だからどの家庭でも「お爺ちゃん、お願い、外に出ないで」
となる。まさに拘置所のような、と言っても過言ではないが、
隠遁生活を強制される。
長らく生き伸びてきたが、元気で家に閉じ込められる不自由さ
は、「拘置所暮ら」しとしか、適切な例えが浮かんでこない。
しかも目に見えない 0,1ミクロン以下という小さなウイールス
にいささかもスキを与えぬよう、四六時中 対座しなければなら
ないのである。
●ただマクロでみると、今回のコロナショックは、2008年に
起きたリーマンショックよりも 経済的な被害は大きいという。
確かに現況の世界情勢を見ると 既にヒトとモノの動きが止ま
り 重ねてカネの動きも止まりかけている。株価も下がり続け
ている。専門家に言わせると、経済大恐慌の予兆だという。
●「コロナとリーマンの比較」
(項目) (新型コロナ)(リーマン)(備考)
「世界経済の損失」 5兆ドル 2兆ドル強 (GDP)
「時価総額の消失」 19兆ドル 17兆ドル
「財政出動の規模」 8兆ドル 5兆ドル
●だからどの国のトップも、コロナショックの山場を早く抜
け出し,ひと時も早く自国経済を再開させたいと焦っている。
だが今のところ、適切な治療薬やワクチンの創薬までには、
至っていない。だから感染リスクを抑えるためには、人々が
他人との接触を8割がた抑制するしか最善の方法はないという。
●人々が活動してこそ消費が生まれ、経済が活性化して 国々
が豊かになるが、世界挙げて動くなという事になれば、世界は
手元に在るものを食い潰すまでで、経済は急速に劣化し あげく
は滅びて朽ちるしかない。
■「目に見えない敵」
●4月20日世界のコロナ感染者数は238万人、死者16万5千人。
最近報道によると緊急事態宣言で 大都会の街角から人が消えた
という。
大きな飲食店は閉店を余儀なくされ 全国規模のコンビニ社長
は 目に見えない敵と今まで経験した事のない、いつ終わるか
も判らない戦いを、やり抜くしかないという。
●科学史家の村上陽一郎国際基督教大学教授は、
「宿主の感染者がすぐ亡くなるとウェルスは広がらない。
しかし宿主が歩きまわる事が多い新型コロナは拡散しやすい。
戦略的にコロナは賢いウィルスだ」と解説する。
そして「自然の謎や、わからない事と真摯に向き合い問い続
ける事によって良識は養われる」と日経コラムで語る。識見
だと思う。
●よくよく考えると籠城を強いられる私ども高齢者は、平和
で贅沢な毎日になれ染まっているせいか「根気」がなくなっ
ている事に気ずく。
僅か1ヶ月ばかりの巣籠りにも耐えられないという根気の欠如
は、情けないというか、まさに平和な暮らしへの感謝の念を
忘れた事への警鐘かもしれない。
人として、生きる事への感謝の念を決して忘れてはなるまい。
武漢コロナへ立ち向かうための巣籠り。考えを前向きに変える
事で、鬱になる事などあろうはずはない。
●ここにきて、いろんな言葉にお目にかかる事になる。
・前例のない対応(世界安倍総理はじめ、首脳の冒頭の言葉)
・テレワーク (情報通信を活用する柔軟な働き方)
・パンデミック(世界的な大流行)
・三 密 (感染症阻止のため、密閉、密集、密接 を避ける事)
・ソーシアル・ディスタンシング(社会的距離)離れて歩く。
・クラスター (小規模な感染者集団)感染阻止対策の重点
・ロックダウン (都市封鎖)
・オーバーシュート(感染爆発)
・ウイズコロナ (ウィルスと共に生きるコロナ共存の近未来社会像)
■「東南アジアとコロナ」
●当初 中国武漢発のコロナウィールスは、欧州、韓国、インド、
日本、米国、次いで東南アジアへと進出して行った。
東南アジアASEAN諸国の対応は、極めて速かった。
観光国のタイは、中国からの観光客による国内感染を防ぐため
に3月26日に全土非常事態宣言を出し 全ての出入国を原則禁止
した。そして全国の商業施設を全面閉鎖した。
民間の調査機関によると2020年の観光収入は 対前年比41000億
ドル(約1,3兆円)減り、実質国内総生産(GDP、60兆円)は
昨年の2,4%増の予測から、-4,8%になるという。
●「ASEAN諸国のコロナ感染者数」
(国名) (感染者数) (死者数)
・シンガポール 8014 11
・インドネシア 6760 590
・フィリピン 6459 428
・マレーシア 5425 89
・タイ 2792 47 ●
・香港 1025 4
・台湾 422 0
・ベトナム 268 0
・日本 11153 263 ●
(英国クルーズ船) 713 13
●アジア開発銀行 (ADB)によると、東南アジア2020年の経済
成長率は前年比1%にとどまるという。
アジア通貨危機(1998年)に次ぐ低さになる。
IMF(国際通貨基金)も、日米欧と新興国経済が、コロナ不況に
陥る中、何時頃にどのような回復軌道にのるか注目している。
その回復軌道の視点は、
・「新型コロナの流行の動向」
・「感染封じ込めの効果」
・「金融市場の反動」
・「人込みを避ける消費者行動の変化」
などの総合判断になると指摘する。
■「アフターコロナ」
●2000年来の20年間に私どもは、次の大危機に遭遇した。
・2008年 リーマンショック、
・2011年 東日本大地震、
・2020年 今回の新型コロナショック
20年間に3回の大きな危機に見舞われたが、先の2回はそれを
克服して、次なる景気回復と進歩に繋げてきた。
●今回のコロナショックでは、当初専門家筋は、無策なら日本
国内で重傷者累計で85万人半数が亡くなると予測した。
ほぼ3ヶ月経過したが、いまだ治療薬も見つからないまま「三密」
なる人海戦で、ここまで凌いできた。
途中経過は、欧米諸国に比べて結果的に健闘と言えるが、これ
から先が見えていない。
●去る20日の読売新聞の特別対談「新型コロナと人間社会の行方」
(宇野重視東大教授と大沢真幸京大教授)は、時節柄極めて有意義
な対談企画だった。その要旨をご紹介すると、--
「宇野教授」
・もう以前の生活には戻らないと思う.
・一定の緊張とリスクは,暫く続く。
・日常と緊張時の区別が、曖昧になる。
・コロナは、管理社会のさまざまな問題を顕在化させた。
・直近の未来は明るくないがポストコロナを良いものにすべく
長期的視野で考えるべきだ。
・世界的に協力の気運が高まる。
「大沢教授」
・もう元の世界には戻らない。そのような理解が必要である。
・コロナ問題はウイルスではなく、国際機関、民主主義、社会
システム、自然環境、人の生き方など、全体で考えるべきだ。
・人類が危機と隣り合っている事を運命として受け入れない
限り変革はできない。
・危機をテコにして次の連帯を模索したい、
・会うことの質を大切に。
●巣籠り生活も、さまざまな識者の知見に触れることによって
極めて有益だった。
私は生活者の一人として、
・バブル崩壊後も、
・神戸淡路大震災後も、
・リーマンショック後も、
・東日本第震災後も、
いずれの際にも、その後の経済の動向ををつぶさに見てきた。
経済の専門家ではないが、今回のポストコロナの場合、 その
時代背景が、以前のいずれよりも大きく異なるように思う。
特にポストコロナは、5GやiOTなどによって従来になく高度
に成熟したデジタル社会に変容していくと思う。
まずは人類の英知による創薬が進み、これを機にしてより最新
のデジタル社会に裏打ちされたグローバル経済に取って変わる
ような予感がしてならない。
■「多事多患」(孔子家語の言葉、事件多く多事多難)
●最後になって気になる事がある。
いま世界は、新型コロナ一色に映るが、その隙をついて虎視
眈々と、覇権を狙う国がある。
改めてコロナ一後の極東、東アジア情勢と、覇権の推移を見て
みよう。
●コロナ発症源の中国武漢では、既に新型コロナが発症、蔓延
しつつあったにも拘わらず、1月25日の春節には、約500万人
が海外観光に飛び立ち、その結果新型ウィールスを、全世界に
ばら撒く失態を犯した。
結果イタリアはじめ欧州や米国では、無防備のまま病魔が蔓延
し続けている。
発症源の武漢は完全封鎖ロックダウンし、いち早くウィールス
駆除に成功、かたや持ち込まれた多くの国々は、まだ収拾がまま
ならず、違和感が漂う。
●戦後の日本は、武力放棄をスローガンにして平和外交を進め
てきたが、決して安心していいわけではない。
国民の中には、平和ボケが充満し、韓国に竹島を毟り取られたり、
今もなお、尖閣には、連日執拗な中国船舶の領海侵害が続くが、
多くの国民は、関心を持たない。
因みにコロナ渦中の1~3月、
・尖閣接続水域を中国艦艇が不法航行した回数は、なんと289回。
・東シナ海領空を侵犯した中国軍機にスクランブルした回数152回
厚顔無恥な中国の行動には、腹立たしくもあきれるばかり。
加えて、東シナ海の島礁の制圧など、中国の覇権進出は目に余る。
これら全てが、隙あらばと言う中国の覇権戦略の現実である。
●一方、東アジア海域の安全確保のために大きな役割を果たす
米国の極東艦隊は、巨艦空母群の乗員がコロナに侵され、いま
や全てが戦列を離脱、用を成さない。
そのような極東のパワーバランスの隙を狙って 中国がのさばり
出るという図式である。
隙あらば、直ちに虚をつくと言う「孫氏の兵法」は、全体主義
の中国でも、脈脈と受け継がれているのである。
●その強国と直接対峙する日本は、戦争放棄を事由に直接防衛
を米国に頼る事で、安全に生きのびてきたが、今回のような
コロナによる危機に直面すると、脆くもその虚を突かれる危惧
がある。
困った事に日本の国民はその事に余りにも無関心だし、コロナ
危機を教訓にして人心から変えていく事が必要だろう。そして
いつも危機感を持つ事が望ましい。
まずは、人心を変えないと政治も、憲法もなに事も変わらない。
アフターコロナは、改めて自国日本の安全を守る事から世界の
平和へ向けて、一歩踏み出すように期待したい。
これが卒寿老人の切なる願いでもある。
■「時代の変遷」資料
・「明治」は43年9ヶ月、
・「大正」は14年4ヶ月、
・「昭和」は62年、
・「平成」は30年3ヶ月、
・「令和」は、これから、
■「日本の世代区分」資料
1926年-1934年 昭和一桁
1935年-1964年 焼け跡世代
1945年-1949年 全共闘世代
1947年-1949年 団塊の世代
1950年-1953年 ポスト団塊の世代
1950年-1957年 しらけ世代
1955年-1964年 断層世代
1958年-1967年 新人類
1966年-1969年 バブル世代
1970年-1971年 ポストバブル世代(バブル崩壊世代)
1971年-1974年 団塊ジュニア(いちご世代)
1971年-1981年 氷河期世代(ロストジェネレーション)
1975年-1981年 ポスト団塊ジュニア
1980年-1988年 ミニマムライフ世代
1982年-1987年 プレッシャー世代
1986年-1996年 新人類ジュニア
1987年-2002年 ゆとり世代
2020年4月~
■「長寿のあかし」資料
●長寿には、強い生命力と言う意味がある。
後顧の憂いなきよう過ごせば、必ず到達できる人生の領域である。
・60歳 1960年生まれ 還暦
・70歳 1950年生まれ 古希
・77歳 1943年生まれ 喜寿
・80歳 1940年生まれ 傘寿
・88歳 1932年生まれ 卒寿
・99歳 1921年生まれ 白寿
・100歳 1920年生まれ 上寿紀寿
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます