JUNSKY blog 2015

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北朝鮮のミサイル発射問題

2006-07-09 11:35:15 | 国際関係
論評が遅くなりましたが、北朝鮮による
「ミサイル発射問題」に関し、一言。

 今朝(7/9)のNHK日曜討論やサンプロを見ていると、司会者やコメンテイターが、『ミサイル防衛体制』の早急な整備を要求している。
とりわけ、NHK討論で、司会者が「迎撃体制が急がれるのではないか」と麻生太郎外務大臣に求めるなど、報道機関の中立性などはどっかにおいて、防衛族の『太鼓持ち』をしている。

 昨日の読売新聞では、緊急世論調査の結果として、『迎撃体制強化』を支持する回答が6割を越している、ということを伝えていたようである。 もちろん母集団の数や設問の仕方によって、このような数字は大きく変わるものではあるし、読売新聞という極めて政府寄り(否、政府以上に右寄り?)新聞の調査であるから、やむをえない結果ではあろう。

 とはいえ、今回の北朝鮮による「ミサイル発射問題」は、拉致問題での一進一退にイライラする、日本国民の気持ちを、一気に『反・北朝鮮』 にしたことは確かである。
この「ミサイル発射」は、北朝鮮にとって、何の利益にも繋がらないばかりではなく、米軍基地移転・強化反対運動や、自衛隊の軍拡反対、などの運動を進める国民運動にとっても、重大な困難をもたらすものである。

 迎撃体制の整備には、莫大な(数百兆円?)費用がかかり、これを売り込む米国軍事産業や、これを国内で工事する三菱重工や石川島播磨など国内軍授産業には、ぼろ儲けの機会にはなるが、この費用を捻出するため、より一層の医療・福祉・教育などの予算が削られ、消費税UPに繋がることになることは確かである。

 その上、このミサイル迎撃システム(ABMでしたか?)の実験が、先般『成功した』という、米国からのニュースが1・2週間前に報道されたが、これは何度も(数百回?)実験して、ようやく初めて成功したものであり、撃墜できる確立は極めて小さく、「コスト・パフォーマンス」が極めて悪い(すなわち、掛かる金の割には効果がない)システムなのである。 
一部の報道では、「今回、初めて成功したようだが撃墜できる確立は極めて低い」と論評していた。
ところが、今日のNHK討論では、「技術革新が急速に進んでいるようだが…」と、司会者が『ミサイル防衛体制』の整備をダメ押しするなど、異常な誘導を行って、麻生外務大臣を喜ばせていた。

 報道機関も、北朝鮮ヒステリーに陥って、冷静な報道を忘れ、一気に軍拡の論調に変化してきた。
 「柳条湖事件」で、一気に中国侵略を後押しした戦前の新聞の「いつか来た道」を「歩み始めた」と言わなければならない。
 
 「憲法9条を守る」国民運動が、急速に且つ広範に広がりつつという状況に水を差し、「日本にも自前の防衛力が必要だ」という世論に急展開する可能性もある。

 今朝の、サンプロの複数のコメンテイターが、この世論誘導の尖兵を買って出ていたようである。

2006Jul09 JUNSKY