小沢氏の地元でもある東北の【河北新報】の社説です。
昨日御紹介した讀賣新聞とはスタンスが全く違います。
当ブログは、どちらかというと、こちらに近いと思います。
では、どうぞ。
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【河北新報・社説】
小沢氏の辞任撤回/国民不在のドタバタ劇だ
もはや民主党の党内問題ではない。政治を信じようとしてきた国民の気持ちをもてあそぶのもいいかげんにしてほしい。
「大連立」という政治信条を党執行部に否定されて代表辞任を表明した民主党の小沢一郎代表が昨夜、辞任を撤回した。
党内力学の作用・反作用の結果だとしても、小沢氏の辞任判断の背景には執行部の“不信任”以上に、大連立に対する国民的合意がほとんど形成されていない政治状況があったはずだ。
辞任の撤回はそうした世論を裏切るに等しい。同時に、小沢氏の慰留に一転して動いたこの党の価値観が国民の常識とは懸け離れていることを示した。
民主党は代表辞任に伴う政治的なダメージをひとまず回避できたと思ったら大間違いだ。
辞任騒動は異質の政治的立場が混在するこの党の弱点を期せずしてさらけ出した。それを一時的に糊塗(こと)して乗り切ろうとするのは無理で、結党以来の危機に直面するのは間違いない。
4日の小沢氏の辞任表明直後から、“論理矛盾”を覚悟で代表続投を求める空気が民主党内に広がったのには訳がある。
一つは、小沢氏の辞任を認めれば、側近を含む集団離党の動きが生まれ、党分裂の危機が表面化する恐れがあったからだ。
二つ目は、「ポスト小沢」候補として代表経験者の名ばかりが挙がり、党再生を委ねられる清新なリーダー選びが難しい現状があったからではないか。
あまりに「内向きの理由」と言うしかなく、情けなくなる。
民主党がきのうの午前に開いた緊急役員会は「自民党との連立はしない」という事実上の条件付きで慰留方針を決めた。
「連立にこだわるわけでなく、いかに選挙に勝つ態勢ができるかだ」と態度軟化をにじませた小沢氏の5日の発言を引き取り、同氏の足かせにした形だ。
しかし、小沢代表の続投によって民主党は「大連立」という時限爆弾を腹に抱えて走ることになる。そう見るのが自然だ。
小沢氏が描く大連立イメージは自民、民主両党の政治路線や政策の距離をぎりぎりまで縮めることを想定しているようだ。
「ねじれ国会」の膠着(こうちゃく)を溶かすための「期間限定連立」の後には民主党政権への移行も視野に入れており、「大連立と二大政党制は矛盾しない」ということらしい。
しかし、政治路線や主要政策がかなり異なる大政党同士が政権を競い合い、国民に幅の広い政権・政策の選択肢を示すのが本来の二大政党制でないのか。
少なくとも、国民に「政権党か、その亜流の政権候補党か」の選択を迫るのが二大政党制ではあるまい。先の参院選でも、民意は明らかに自民党政治の対極の政治を民主党に求めたのではなかったか。
民主党はねじれ国会で必要な政策的妥協を重ねながら、こうした二大政党制の土俵上で次期衆院選で勝利し、政権を取るという分かりやすい政権戦略を国民に示さなければなるまい。
政権交代を目指すなら、民主党は「小沢時代」からの脱却を本気で考えるべき時だ。
河北新報 2007年11月07日水曜日 ここをクリック
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【関連記事】
「秋田魁新報社・社説」2007年11月7日 ここをクリック
小沢騒動、2日で翻意「恥をさらすようだが」(朝日新聞) - goo ニュース
小沢代表、続投を正式に表明 両院議員懇談会で(朝日新聞) - goo ニュース 2007年11月7日 17:09
しんぶん「赤旗」2007年11月7日 ここをクリック
しんぶん「赤旗」2007年11月6日 ここをクリック
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もはや民主党の党内問題ではない。政治を信じようとしてきた国民の気持ちをもてあそぶのもいいかげんにしてほしい。
「大連立」という政治信条を党執行部に否定されて代表辞任を表明した民主党の小沢一郎代表が昨夜、辞任を撤回した。
党内力学の作用・反作用の結果だとしても、小沢氏の辞任判断の背景には執行部の“不信任”以上に、大連立に対する国民的合意がほとんど形成されていない政治状況があったはずだ。
辞任の撤回はそうした世論を裏切るに等しい。同時に、小沢氏の慰留に一転して動いたこの党の価値観が国民の常識とは懸け離れていることを示した。
民主党は代表辞任に伴う政治的なダメージをひとまず回避できたと思ったら大間違いだ。
辞任騒動は異質の政治的立場が混在するこの党の弱点を期せずしてさらけ出した。それを一時的に糊塗(こと)して乗り切ろうとするのは無理で、結党以来の危機に直面するのは間違いない。
4日の小沢氏の辞任表明直後から、“論理矛盾”を覚悟で代表続投を求める空気が民主党内に広がったのには訳がある。
一つは、小沢氏の辞任を認めれば、側近を含む集団離党の動きが生まれ、党分裂の危機が表面化する恐れがあったからだ。
二つ目は、「ポスト小沢」候補として代表経験者の名ばかりが挙がり、党再生を委ねられる清新なリーダー選びが難しい現状があったからではないか。
あまりに「内向きの理由」と言うしかなく、情けなくなる。
民主党がきのうの午前に開いた緊急役員会は「自民党との連立はしない」という事実上の条件付きで慰留方針を決めた。
「連立にこだわるわけでなく、いかに選挙に勝つ態勢ができるかだ」と態度軟化をにじませた小沢氏の5日の発言を引き取り、同氏の足かせにした形だ。
しかし、小沢代表の続投によって民主党は「大連立」という時限爆弾を腹に抱えて走ることになる。そう見るのが自然だ。
小沢氏が描く大連立イメージは自民、民主両党の政治路線や政策の距離をぎりぎりまで縮めることを想定しているようだ。
「ねじれ国会」の膠着(こうちゃく)を溶かすための「期間限定連立」の後には民主党政権への移行も視野に入れており、「大連立と二大政党制は矛盾しない」ということらしい。
しかし、政治路線や主要政策がかなり異なる大政党同士が政権を競い合い、国民に幅の広い政権・政策の選択肢を示すのが本来の二大政党制でないのか。
少なくとも、国民に「政権党か、その亜流の政権候補党か」の選択を迫るのが二大政党制ではあるまい。先の参院選でも、民意は明らかに自民党政治の対極の政治を民主党に求めたのではなかったか。
民主党はねじれ国会で必要な政策的妥協を重ねながら、こうした二大政党制の土俵上で次期衆院選で勝利し、政権を取るという分かりやすい政権戦略を国民に示さなければなるまい。
政権交代を目指すなら、民主党は「小沢時代」からの脱却を本気で考えるべき時だ。
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