JUNSKY blog 2015

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調査捕鯨とか

2007-11-20 23:33:22 | 環境問題
 「調査捕鯨」と称する鯨猟の船団が下関から出航したという。



捕鯨に反対する各国は、批判を展開している。

 日本政府の盟友たるアメリカも批判を行なったらしい。
  日本の調査捕鯨自粛を求める 米国務省報道官(朝日新聞) - goo ニュース

 オーストラリアでは、特にホエール・ウォッチングの対象であるザトウクジラの捕獲に抗議して一文字を作ってデモをしたとのこと。



 今回の調査対象(早い話が捕まえて解体するもの)は、クロミンククジラ765‐935頭、ナガスクジラ50頭、ザトウクジラ50頭という。
 調査と称して、これほど多くの鯨を捕獲する必要があるのだろうか?
捕鯨には様々な論点がある。

捕鯨を正当化する論点としては、
① 鯨食は日本の古くからの食文化である。
② 鯨が魚類を大量に捕食するので、漁業資源を維持するためにも一定数の捕獲をして、魚類を守る必要がある。
③ 一定数捕鯨を行っても、鯨資源が減ることはない。
等など

一方『保護派』の論点は、
④ 鯨を食料とするのは野蛮である。
⑤ 鯨は知性ある動物である。
⑥ 鯨は絶滅の危機に瀕している。
⑦ ホエール・ウォッチングに支障がある。
等など 

これに反論しよう。

① 古くからの食文化であることは認めるとしても、鯨資源がが乱獲などにより枯渇している面もある訳であり、そういう状況で「食文化」だからと、鯨を殺し続けて良いのか? 昔は牛・豚などを食べる習慣がなかったという前提があり、そういう「食文化」は壊れているのに、牛も豚も鯨も食べ続けるというのれは日本人のエゴではないか?

② 太古の昔から(人間が出現する前から)鯨は大量に魚類を捕食してきたのであり、漁業資源(魚)が減っているのは鯨のせいではない。寧ろ、人間による特に日本の漁船団による乱獲によって漁業資源が減っているのである。鯨のせいにされたら鯨としては、とんだ迷惑である。

③ 鯨は魚と異なり、数万個も卵を産み数年で成魚になる訳では無く、成長に多くの年月を要する。世界中の国が捕獲し始めれば絶滅まではあっと言う間である。
「日本だけが捕獲するなら問題ない」というならそれこそエゴである。

④ 鯨食を野蛮と言うなら、牛や豚や鳥を食べるのは野蛮ではないのか?
欧州人は、『スポーツとして』野鳥や野獣の狩りをするが、これは野蛮ではないのか?

⑤ 知性があるから殺してはいけない。知性がない動物は殺して良いという判断は能力による差別思想に通じる。また、人間から見た知性が、その動物達にとって差別的に扱われる何の意味があるのか? “知性”や能力は、その動物が必要とする能力として与えられたものなのである。

⑥ 鯨は絶滅の危機に瀕しているのはある意味では確かだろうが、こういう状況に追い込んだのは、『鯨油』だけのために大量の鯨を殺戮してきた欧米の行為から起こっている。自らはやり放題に殺戮してきて絶滅の危機に追い込んだことは頬被りして、現在捕鯨を行っている日本を批判する資格は欧米には無い。

⑦ ホエール・ウォッチングのために、鯨は生存しているのではない。
こういう議論は個人の趣味の話であり極めて情緒的な批判であって聞くに及ばない。

私の結論
 捕鯨は、それなしでは生きてゆけないようなイヌイットなど特定の地域の人々にのみ認めるべきであり、飽食の国々では鯨に替わる「養殖」した資源を食するべきである。
 調査と称した捕鯨で得た肉を市場に売り出すべきではない。現在の「調査捕鯨」は、市場で鯨肉を売るための『方便』に思える。
 もちろん、戦後、鯨が日本人の飢えを凌ぐ為に大いに役に立ってきたことには感謝する必要があるし、私も鯨肉を食べて育った世代である。


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【リンク】
日本捕鯨協会
IWC

調査捕鯨船団 緊張の船出 下関港(西日本新聞) - goo ニュース
             西日本新聞朝刊  2007年11月19日(月)10:10

 南極海のクジラ資源を調査する第21次調査捕鯨船団(石川創(はじめ)団長)が18日、山口県下関市の下関港を出港した。前回の調査では反捕鯨団体による妨害活動で負傷者が出ており、緊張の船出となった。

 捕鯨船団は母船の日新丸(8、044トン)のほか目視採集船3隻、目視専門船2隻。期間は来年4月中旬まで。この日、下関を出港したのは日新丸と目視採集船3隻。目視専門船は15日に宮城県塩釜市から出港している。

 捕獲対象はクロミンククジラ765‐935頭、ナガスクジラ50頭、ザトウクジラ50頭。新たに加わるザトウクジラも含め、大型クジラの捕獲数を前回の10頭から大幅に増やした。

 出港式には乗組員の家族ら約500人が参加。調査主体の日本鯨類研究所の森本稔理事長が「妨害が激しくなっているが屈せず、人命を最大限に尊重して調査を行ってほしい」とあいさつ。約200人を乗せた船団は汽笛を鳴らして離岸、南極に向かった。

 前回の南極海調査捕鯨では今年2月、妨害活動で2人が負傷、母船火災で1人が死亡している。

=2007/11/19付 西日本新聞朝刊=

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【関連記事】
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