私的には、「産経新聞」は、あまり好きな新聞ではないが、当ブログでも度々引用している。
ある時は、「朝日新聞」など他のWeb記事と並立して。
今回は、単独で取り上げる。
内容は表題の通り、原発裁判のやり直しを求める弁護士たちの行動である。
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反原発派、続々やり直し要求 震災、司法判断に影響?
(産経新聞) - 2011年8月20日(土)08:00
東京電力福島第1原発事故をきっかけに、反原発派が、敗訴判決が確定した各地の原発訴訟の“やり直し”を求めている。7月には100人超の弁護士が「脱原発弁護団全国連絡会」を結成。確定判決が出た原発を含め、原発関連の提訴や仮処分申請はすでに同月以降4件に上る。弁護団は「事故で状況は一変した」と“逆転勝訴”に期待を寄せるが「設置、運転の根拠となる法律が変わったわけではない」(司法関係者)と、事故が司法判断に与える影響を疑問視する声も上がる。(時吉達也)
◆環境の変化を主張
昭和48年に提訴された伊方原発(愛媛県)設置許可取り消し訴訟を皮切りに、判決が確定した主な原発関連訴訟約20件はすべて、周辺住民ら原告側が敗訴。「想定を超えた地震動により、住民が限度を超える放射能を浴びる具体的可能性がある」として、志賀原発(石川県)の運転差し止めを認めた金沢地裁判決(平成18年)など2件の勝訴も上級審で覆された。
しかし、脱原発弁護団メンバーらは「3月11日を境に、環境は大きく変化した」と主張する。「東日本大震災と福島第1原発事故は、同規模の地震を想定していない国の安全審査の欠落を証明した」(脱原発弁護団長の河合弘之弁護士)ととらえているためだ。
同弁護団では、国内すべての原発について運転差し止めや廃炉を求め、訴訟を起こす方針という。
◆「認定見直し当然」
確定判決がある原発についても、“やり直し”訴訟は可能なのか。
民事事件などで、確定判決は紛争の蒸し返しを避けるために「既判力」を有するとされるため、全く同じ請求内容や証拠で提訴し直しても、確定判決を覆すことは難しい。
これに対して弁護団は、津波や地盤の液状化現象など、福島第1原発事故で顕在化した問題点も併せて争う構えだ。
班目春樹東大教授(当時、現原子力安全委員長)が電力会社側証人として出廷した浜岡原発(静岡県)運転差し止め訴訟=東京高裁に係属中=では、1審静岡地裁が「発電機の同時故障を想定する必要はない」として原告側の請求を退けたが、今回の事故では複数電源同時喪失が現実のものとなった。
それだけに、弁護団は「強調され続けてきた『万全の故障対策』が破られたのだから、裁判所がこれまでの認定を見直すのは当然」と自信を見せる。
◆別判断考えづらく
一方で、あるベテラン民事裁判官は「審理はこれまで以上に慎重になされるだろう」と前置きした上で、「法律や設置基準が改正されたわけではなく、基本的にはこれまでと違う判断が下されるとは考えづらい」と冷静だ。
実際、原発訴訟で多くの判決は原発の専門性を考慮し、「安全性」そのものではなく「安全審査の適法性」を判断するとした平成4年の最高裁判断を踏襲してきた。
この裁判官は「想定外の事故が起きるからすべての原発を無くしてしまえというのは、『死者がゼロになるまで車の運転を禁止する』という論理と同じで、言葉遊びになっているのではないか」と疑問を呈す。その上で、原発の是非については「国民全体で冷静に議論し、方向性が示されるべきだ」と、政治決着に期待を示した。
【関連記事】
<佐賀・玄海原発>佐賀などの弁護士ら提訴へ 廃炉要求も視野
毎日新聞 - 2011年8月20日(土)18:00
九州電力の玄海原発1、4号機(佐賀県玄海町)=共に運転中=を巡り、同県と、隣接する福岡、長崎3県の弁護士らが九州電力(福岡市)を相手取り廃炉を求める集団訴訟を佐賀地裁に起こす準備を進めている。21日に、佐賀市で弁護士らが会合を開く。玄海原発は佐賀県北西部に位置するが、福岡、長崎まで直線で10~20キロの距離。事故時に被害の県境越えは避けられないとみられ、原告も3県から募る方針だ。
同原発には、加圧水型軽水炉(PWR)4基があり、現在稼働しているのは1、4号機の2基。このうち1号機は75年10月運転開始で、九電の持つ原子炉6基のうち最古だ。原子炉の圧力容器が中性子を浴びるほどもろくなる「脆化(ぜいか)」と呼ばれる現象のデータも当初の想定を超えて進んでおり、大地震などで急激に炉心を冷やした場合に圧力容器が破損する危険性が識者から指摘されている。
訴訟の形は今後詰めるが、九電を相手取って運転停止、廃炉を求める可能性が高いという。2、3号機は現在運転停止中で、周辺住民らがすでに再稼働の差し止めを求める仮処分を佐賀地裁に申し立てるなどしている。
福岡県の池永満弁護士は「多くの市民から廃炉に向け訴訟を起こすよう声が寄せられている」と話している。【岸達也、田中韻】
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