朝日新聞、西日本新聞などによると、東京電力は、東日本大震災の
4日前に想定を超える10m級の津波が襲うことを試算していたという。
東京電力経営陣にも伝えられ、経済産業省原子力安全・保安院に説明
していたが、対策には生かされなかった。
大規模な津波で電源が全て失われ、原発がメルトダウンに至る可能性
があることは、2006年頃の国会質問で、吉井英勝衆議院議員(日本共産党)
によって指摘されていた。
その際も東京電力や政府(自民党政権)は、事実上無視して対策を取らなかった。
結局、度々今回のような事故を防ぐ機会があったのにも拘わらず、
対策が取られていなかったことが、今回の事故の『人為的』原因であり、
『想定外』 という言い逃れは、ますますでき難くなってきた。
政府および東電共が解っていたのに対策をしなかった責任は大きい。
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8/25 追記
福島第一原発、震災前の津波予想検証へ 枝野長官が方針
朝日新聞 - 2011年8月25日12時58分
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東電が10メートル超す津波試算 震災直前、保安院に報告
西日本新聞 - 2011年8月24日 20:09
震災前に10メートル超の津波試算 東電、福島第一で
朝日新聞 - 2011年8月24日23時1分
東京電力が東日本大震災前に、福島第一原発が想定を超える津波に見舞われる恐れがあると、経済産業省原子力安全・保安院に説明していたことがわかった。保安院の森山善範・原子力災害対策監が24日の会見で明らかにした。震災4日前には10メートルを超える可能性も文書で伝えていたが、対策には生かされなかった。東電の経営陣も把握していた。
保安院や東電によると、2002年の政府の地震調査研究推進本部の評価に基づき、大地震が三陸沖から房総沖にかけてのどこかで発生する想定で、東電がマグニチュード(M)8.3級の地震で福島第一、第二原発に来る津波の高さを08年春に試算した。
その結果、福島第一5、6号機の海側で10.2メートルで、1~4号機も8.4~9.3メートルとなり、いずれも最大5.7メートルの設計での想定を上回った。場所によって15.7メートルまで津波が駆け上がると見積もられた。
福島第一原発では海面からの高さ4メートルの所に冷却に必要な海水ポンプ、高さ10メートルの所に原子炉建屋などがある。今回の震災の津波の高さは海岸付近で13メートルで、建屋付近では11.5~15.5メートルに達した。
試算は東電が今年3月7日、保安院に文書で説明。保安院の担当室長が、早急に報告書を提出し、設備面の対策を取るよう口頭で求めたという。
また09年9月にも保安院の担当職員が、福島第一で津波が6メートルを超える可能性があると東電から口頭で説明を受けていたが、東電に対策の指示は出していなかったという。森山対策監は会見で「津波の問題について評価や対策が不十分だったことは誠に申し訳ない」と述べた。
東電は08年6月にこの試算を経営陣に報告していた。しかし、福島沖では参考になる過去の地震記録がなく、三陸沖で起こる地震をそのままあてはめたことから「あくまで仮定に基づく試算」として対策は取らなかった。震災後も政府の事故調査・検証委員会の調査対象になるため、公表は考えなかったという。
東電は06年の国際会議でも、設計の想定を超える津波が来る確率が「50年以内に約10%」とし、10メートルを超える確率も約1%あると発表していた。(西川迅、佐々木英輔)
福島第一原発、震災前の津波予想検証へ 枝野長官が方針
朝日新聞 - 2011年8月25日12時58分
枝野幸男官房長官は25日の記者会見で、福島第一原発が想定を超える津波に見舞われる恐れがあることを東日本大震災前に東京電力と経済産業省原子力安全・保安院が把握していた問題について、「大変遺憾だ」と述べ、内閣として事実関係を検証する方針を明らかにした。
枝野氏は「大規模な津波の到来の可能性を東電は2008年に認識しており、十分に対応する時間的余裕があった」と指摘。東電から報告を受けながら公表しなかった保安院についても「(政府の事故調査・検証委員会が)調査しなければ出てこなかったというのも遺憾だ」として、対応を批判した。
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