じゅんなおひと

スポーツジャーナリストもどき

全校崖っぷち

2019-06-01 15:24:18 | 高校サッカー

守備

大阪桐蔭:攻撃のときも常に自陣に人数を残すほどに、終始守備の意識を高く保ったことが、無失点に抑えた要因かと思われます。     

東海大仰星:1点に抑えたのですからよく守ったと言えますが、相手の強く鋭いカウンターに対応出来ておらず、特に相手に左サイド(仰星の右サイド)からえぐられる場面が目立ち、ついには失点につながって見えました。

関大一:強力且つ精度の高い相手の攻撃を最後まで集中してよく凌いでましたが、最後の最後PKを与え、とうとうこらえきれなくなったといった感じでした。とはいえ強敵相手に1失点は上出来と思います。相手のシュートがGK正面をつくことが目立った事から、最終ラインとGKの連携、GKのポジショニングが良かったのかも知れません。

阪南大学高校:不用意なファウルで以降相手にガツガツいけなくなったりと、リズムを失って見えました。

 

✳攻撃

大阪桐蔭:カウンターが主でしたがとても良い攻撃が出来ていたと思います。シュートの意識等これまでの問題点を全て洗ったかのような攻撃が出来て見えました。終始相手に怖さを与える攻撃が出来ており、強敵相手に少ない人数でそれができたというのは、今大会に限らず、今期の今後の戦いを考えても、大きかったかも知れません。

東海大仰星:激しく攻めながら終了間際のPKの1得点に終わった要因は、やはり攻撃が一本調子になってしまって見えたことがあるかと思われます。上記は同校の特徴でもありますが、崩すには時に、やはり緩急も必要かと思われます。後、シュートをどんどん放つことは大事なことですが、GKの正面をつく場面が目立ち、いくらなんでもまともに打ち過ぎて見えました。得点するには、相手をずらす動き、も、時に必要かと思われます。

関大一:とにかく、前線の選手の強さが、この日も光りました。ですが守備の堅い相手を崩すには単発では難しく、今後は攻撃の継続が求められるかも知れません。

阪南大学高校:シュートに対する意識の高さ、相手に詰められた難しい体勢からでもシュートが打て、クロスが上げられる体の強さ分厚さがこの日も印象的でしたが、相手が出てきてくれなかったことは、想定外だったのかも知れません。

 

✳大阪桐蔭:初戦手痛い敗けでのスタートとなったからといってやおら勝ちにいこうとガンガンいくのではなく、あくまで1試合1試合で考え、まずは守備の意識をしっかりもって、負けないこと、を意識した戦いに徹した事が勝因のひとつかと思われます。明日の最後の相手も考え方は同じ。ロースコアの接戦に持ち込むこと、1-0か0-0、のイメージが大切かと思われます。そして、強敵相手に快勝の立役者に、監督はじめとした首脳陣を挙げたいと思います。これまでとスタメン、ポジションを変えた起用に、外れた選手たちには申し訳ないですが寝る間も惜しんで?悩み抜いた跡が見てとれました。4年ぶりのインターハイに出れるかどうかは分かりませんが、どっちに転んだにせよ、強敵相手にこういう勝ち方ができたということは、今期の今後の戦いにおける大きな分岐点になる試合となったかも知れません。

 

✳東海大仰星:初戦手痛い敗戦になってしまったものの星勘定を意識せずに戦うことは出来ていたと思います。負ければインターハイへの道が絶たれるなか、土壇場のPKで辛くも生き残った同校。出来れば参考PKはとりたかったですがディフェンスの安定感は4校の中でも随一のものがあるだけに、大逆転でのインターハイゲットの可能性は十分あるかと思われます。得失点差を意識して変に点を捕りにいかないことが、まずは肝要かと思われます。

 

✳関大一:守備の意識を強くもって戦えて見えたことが、強敵相手に引き分けることができた要因かと思われます。最終節を残して首位。唯一引き分けでもインターハイ出場が叶う立場にありますが、インターハイ出場目前まできながらラストワンプレーで足止めされた事がどうでるかが、勝負というのは理屈抜きにそういうものである面もあるだけに懸念されるところかと思われます。とはいえ、参考PKがとれたこともあり、初戦を得失点差まで稼げて勝てたことがより活きている状況かとも思われます。最終節もこれまで同様、守備の意識を強くもって戦うことが大事かと思われます。星勘定を意識した引き分け狙い、という意味ではなくて。星勘定を意識した戦いというのは相手と利害関係が合致して初めて有効に働くもの。今回の場合そういう状況にはならないことからしても、そういう意識は努々持たないことが大切かと思われます。

 

✳阪南大学高校:気になったのがコイントス。同校が勝って見え、風ほとんど吹いてないのに陣地をとったこと。攻めたときに味方がいる側をとりたかったように見えました。前半から飛ばして味方の大声援を受けるなかでゴール量産で一気にインターハイゲットと目論んでいたように見えました。初戦負けてる相手が前がかりにくることを見越してのものだったのかもしれません。あくまでこの推察が事実ならの話ですが、だとしたら、星勘定を意識せずに戦うことが出来てなかった事になります。ここまで感じられたカウンターへの対応への不安がもろに出たようにも見えました。以上のことから、やや自滅にも近い形で崖っぷちに追い込まれたことで良くも悪くも星勘定を意識せずに戦うことが出来るようになりました。自分達のサッカーができれば、インターハイゲットできるかと思われます。ただ、最後の相手はカウンターに強さを見せているだけに、そこへの対応に不安が残って見える同校が、ド坪にはまってしまう危険性もはらんでいるかと思われます。

 

第1節を終えた段階では仰星と阪南大学高校が順当ならと感じましたが第2節を終えてその2校が僅差とはいえ下位に沈む状況で最終節を迎えることに。残りの2校が二戦目で守りの意識を強くもって戦えた事が要因かと思われます。大阪桐蔭、関大一は最終節もその意識を強くもって、仰星と阪南大学高校は今一度プリンスリーグでの戦いに立ち返る事ができるかどうかが、明暗を分ける鍵かと思われます。