城台山日記

 城台山の麓で生まれ、毎日この山に登り、野菜・花づくり、読書、山登りをこよなく愛する年寄りの感動と失敗の生活日記です。

残暑お見舞い・沢上谷 23.8.14

2023-08-14 19:22:47 | 過去の山登り記録
 明日は台風の影響で大荒れの天気が予想される。鉢の花は倒れないように棚から下に下ろし、一部は屋内に取り込んだ。畑のトマトの雨よけはずっと前にシートを取り外した。

 それでも今日も大変な暑さで、冷房した部屋から出て行くことはできない。せめて、画像で涼しさを満喫して欲しいとの思いで、2017年8月に行った沢上谷(ソウレタニ、旧上宝村)の遡行の模様を紹介したい。とにかくナメが素晴らしい谷で、色々な滝が目の前に出てくる。ロープを使って登るようなところはなく、初心者でも指導者がいれば問題なく登れる。難所は大きく高巻きした後で、沢に下りるところが実にスリリング。


 一番最初に出てくる五郎七郎滝 9:21


 滑の床 10:01


 岩洞滝 10:27


 滑を歩く 10:55


 大滝 11:16


 滑を歩く 12:26


 最後の滑滝は固定ロープで登る 12:35
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雪渓と氷河の違いは 22.8.15

2022-08-15 19:18:33 | 過去の山登り記録
 今日は終戦記念日、終戦から77年も経った。1945年8月15日時点で生まれていた人はかなり少なくなってきた。「戦後◯◯年」と言われても大方の人は理解さえできないだろう。日本がアメリカと戦争した、中国等と戦争したという過去は急速に歴史の中に埋もれつつあると思われる。また、一体戦後はいつまで続くのかとも考えてしまう。「戦後レジーム」の見直しを唱えていた方も鬼籍に入られてしまった。

 深刻な話しはここまでにして、暑い夏にふさわしい話題を始めよう。最近新聞記事で「比較的簡単に行ける氷河」ということで立山近くの内蔵助氷河のことが書かれていた。私たちは長い間日本には「氷河」は存在しないと教わってきた。日本にも氷河があると分ったのは、2012年4月のことだから10年前に確認されたばかりであることに驚く。極東地域の南限はカムチャッカ半島とされていたから、その南限は立山まで大幅に南進したことになる。氷河の定義は、陸上にあること、移動すること、雪と氷の大きな塊であることの三つの要件を全て満たす必要がある。現在日本の氷河は、立山連峰に5、鹿島槍ヶ岳と唐松岳に各1合計7箇所ある。一番大きい氷河である三ノ窓雪渓で長さ1200m、幅200m、氷の厚さ70m(2011年6月観測)であるからヒマラヤやアルプスと比べると規模は随分小さい。

 日本の三大雪渓である剱沢、白馬、針ノ木に氷河はないことに気づかれたであろうか。雪渓と氷河はどう違うのだろうか。最も大きな違いは、雪渓は雪の塊で氷河は氷と雪の塊であることである。最も大きな雪渓である剱沢にも、氷の塊は形成されていない。下部を水流が流れ、氷を形成しにくいというのが理由。白馬も同じように、下部を水流がごうごうと流れている。2015年10月に白馬大雪渓の厚さは15mだったが、氷の層は見られなかったとある。雪渓はブリッジのようになっているので、通過には注意が必要である。日本の最終氷期は、1.9万年~1万年前であり、これより前に日本には日本アルプスや日高山脈を中心に合計400の氷河が形成されていた。その後の地球の温暖化により、ほとんどの氷河はなくなり、現在は氷河があった証拠である圏谷を残すばかりとなった。以下に圏谷のリストを載せる。


 7月31日~8月1日に訪れた薬師岳の圏谷群は薬師岳の東面に広がる複数の圏谷である。ブログでも紹介したが、1974年に続き、その10年後の1984年にも登っている。その時の写真を眺めていたら、あることに気づいた。その時はたくさんあったのに、今や少しとなってしまったものがあった。それは残雪の量だった。今回薬師岳で目にしたのは、薬師平にあった小さな雪渓のみであった。以下、古い山の写真帳から順次紹介していきたい。
<薬師岳の例>

 1984.7.28 スゴの頭から薬師岳  山頂近くには残雪ガ多くあることが分る

  同上 薬師岳 雪がたっぷり残っている

 今年の薬師岳(太郎平小屋から) 上の写真とは方角は違うが雪はほとんど見られない
以下はおまけ

 五色ヶ原の朝

 34歳となったおじさん
 
<白馬大雪渓の例>

 1983.7.30 白馬大雪渓 左の写真は白馬尻 少し上に雪渓の最下部が見えている
 大雪渓の上(葱平付近)にも雪渓があった

 2016.8.1 白馬大雪渓 この時、白馬尻からかなり登って最下部に到着した さらにに葱平には雪はなかった
 雪渓の幅も深さも少なくなっていることがわかるであろう

<五竜岳から見る剱岳、立山>

 1982,7.31 剱、立山方面には雪が多く残っている

<白山の例>

 1977.4.30 上は御前峰山頂の社 下は室堂方面 小屋は屋根だけ見える

 以上見てきたように、夏山の雪の量は確実に減ってきていることがわかる。高山植物は雪の融けるのを待つかのように咲きそろう。そうだとすると花の咲く時期は今後も大幅に前倒しされる可能性があるということだろう。そして、雪渓を吹き渡る自然の冷風といった贅沢な喜びもなくなっていくのかもしれない。
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百名山の花・南アルプス北部編 21.6.16

2021-06-16 19:33:54 | 過去の山登り記録
 貴方はキタダケソウを見たことがあるだろうか。この花は北岳とその親戚が夕張山地(キリギシソウ)とアポイ岳(ヒダカソウ)にしか見られない貴重な花で、北岳では6月下旬から7月上旬までの極めて短い花期であるため、なかなか見ることが難しい。この時期は一般には梅雨のど真ん中であって、天候には恵まれない可能性が高い。長年見たいと思っていたので、昔の山仲間M氏を誘って出かけた。

◯北岳 2017年7月1日~3日

 登山口近くに宿をとり、翌日広河原から白根御池そして小太郎尾根経由で宿泊予定の北岳肩の小屋に到着。明日の天気が不安ということもあり、当日中に北岳山頂を踏み、キタダケソウも見ておこうと行動時間を3時間と決め出発した。出発後すぐにガスが出てきて、展望は全く利かない。その上キタダケソウがどのあたりに咲いているのか勉強不足であった。小太郎尾根付近で私たちに先行した単独のテント泊の人や八本歯のコルの方から登ってきた人などに聞いたりして探した。ほどなくしてM氏が見つけた。実はこの花は北岳山荘寄りの斜面で群生しているということだが、そこまで下る余裕はなかった。私たちが見つけた花は少し遅いのか、花びらが落ちたのも混じっていた。
 

 広河原ビジターセンター

 白根御池小屋 きれいな小屋だった

 小屋の先がこのルート最大(500m)の登りで草すべり(大学生の時にここを登りバテてしまった)で足下には高山植物が多く咲いている。

 シラネアオイ

 タカネスミレ

 シナノキンバイ
 
 タカネザクラ

 富士山が見えた

 キバナシャクナゲ

 シナノキンバイの群生

 肩の小屋 後方は山頂方面


 お待ちかねのキタダケソウ

 同上

 同上 花びらが整っていない 落ちてしまったのもある

キタダケソウ以外にも山頂周辺は花が多い

 ハハコヨモギ

 ハクサンイチゲ キタダケソウに似ているが、花も葉も違う ハクサンイチゲは花期が長い

 オオヤマノエンドウ

南アルプス北部であるので、仙丈ヶ岳、甲斐駒ヶ岳もついでに紹介する。なぜ「ついで」なのかというと期待した割にはひどく花が少なかったからである。花の代わりに、私たちの前に現れた雷鳥夫婦に心を癒やされた。この山行についてはブログで報告しているので、良かったら見て欲しい。

◯仙丈ヶ岳、甲斐駒ヶ岳 2019年7月24日~26日

 ゴゼンタチバナ

 ミヤマダイコンソウ

 雷鳥のつがい 子どもたちもいたのだがすぐにいなくなった 仙丈ヶ岳から小仙丈にいたる登山道で人を怖れる様子もない
 このあと朝北沢峠を出発した大勢の登山者が登ってきたので、雷鳥が再び現れることはないだろう

 仙水小屋の前の小屋のおじさんが植えた ミヤマオダマキ

 朝の甲斐駒と摩利支天


もし貴方がキタダケソウを見たいのなら、八本歯コルを経由して登り、山頂を経て、肩の小屋に宿泊するか、北岳山荘に泊まり、翌日キタダケソウを見、その後山頂を踏むのが良いであろう。天気予報では6月下旬の天気はほとんど良くない、雨も覚悟して登るか、7月の始め頃に計画するしかない。
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百名山の花・南アルプス南部編 21.6.12

2021-06-12 19:36:58 | 過去の山登り記録
 過去の山登りの記録ばかりで申し訳ない。70歳を過ぎると、もう登ることが出来る山は限られてくる。特に、南アルプス南部ともなればなおさらである。そこへ最初に登ったのは1975年9月12日から16日までで、三伏峠から荒川岳の最低鞍部、そして赤石岳に登り、椹島に下山した。当時、三伏峠小屋、荒川小屋、赤石小屋全て自炊が原則で場合により、テント宿泊であった。さらに椹島と畑薙ダムの間は4時間以上の林道歩きというある意味健脚向きの山域であった。それが小屋はいつからか営業小屋になり、林道歩きもマイクロバスの運行が開始され、随分登りやすくなった。

 ところが、コロナ蔓延の影響で昨年に続き、赤石、荒川、千枚、百間洞の小屋は営業休止となり、さらにマイクロバスも運休となった。ある意味45年前の状況に先祖返りしたような状況となった。コロナの蔓延下でも営業をしている小屋は多いが、なぜここは営業休止となったのであろうか。それは、南アルプスのかなりの面積を新東海製紙株式会社という企業が所有しているからであり、この企業は社会的貢献ということで子会社の東海フォレストがこれらの小屋を管理していた。会社の創業者である大倉喜八郎を始めとしてこの会社の歴代の社長は赤石岳に登ってきたそうである(椹島小屋のその喜八郎がかごで登る写真が展示してある)。


 上記の会社が所有する山域である 北は間ノ岳から南は上河内岳まで

 長い前置きだった。今日の記事は百名山の花となっているので、花を中心とするが、話題の小屋の現状(もちろんコロナ前)とこのルートのたくさんの場所で秀麗な富士山を見ることができるので、その姿も合わせて紹介する。高山植物には少し時期も遅かったが、十分楽しむことはできた。

◯赤石岳・荒川岳 2013年8月16日~20日
 なんと4泊5日の大名旅で、小屋には12時頃には着いていたというのんびりした山旅だった。

 コース図 

 前泊した椹島小屋

 2泊目の赤石小屋 かつての小屋は手前にある さすが企業が作っただけあって奇麗で食事等サービスも良い
 真ん中の人物が今回のツアーリーダー(キリマンジャロに何回も案内していると聞いた、他に2名サブリーダーがいる)

 夕暮れの赤石岳 とにかくでかい山だ

 既に3日目 富士見平付近からの富士山

 ミネウスユキソウ

 ミヤマアキノキリンソウ

 コウメバチソウ

 オヤマリンドウ

 タカネヤハズハハコ

 チオシマギキョウ

 タカネツメクサ

 荒川小屋 45年前は石造りでこのときは入りきれず、テント泊

 4日目 荒川小屋からの夜明け前の富士山

 ゲージに囲まれたお花畑

 タカネマツムシソウ

 コバノコゴメクサ

 ミヤママンネングサ

 ミヤマシオガマ

 オンタデ

 悪沢岳

 タカネナデシコ

 ミヤマタンポポ

 悪沢岳山頂に咲くトウヤクリンドウ

 イワツメクサ

 タカネヒゴタイ

 タカネニガナ

 タカネビランジ

 ミヤマツメクサ

 5日目ご来光(千枚小屋)

 千枚小屋

 写真ある程度ないと寂しいが、これだけ多いと見ている方は飽きてしまうだろう((^0^)。


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百名山の花・新潟県編 21.6.7

2021-06-07 20:07:47 | 過去の山登り記録
 東北、北海道から花を求めて、今回は新潟県の二つの山を紹介する。いずれも豪雪地帯にある山で、それだけに雪どけの季節には沢山の花が出迎えてくれる。まずは火打山(2462m)、妙高山(スキー場赤倉、オールドファンには懐かしい名前である)と一緒に登られることの多い山であるが、特に火打山は花と残雪が豊富である。そして、苗場山(2145m)、「苗場」はスキー場として有名である。二つの山は何とか再訪したいと考えている山で、比較的簡単に登ることができる。
 両山では、キヌガサソウ、サンカヨウなど共通した花が多く見られる。

◯火打山 2012年7月18日

 笹ヶ峰から登る。宿泊する場合は高谷池ヒュッテ

 サンカヨウ

 ベニバナイチゴ

 オオバミゾホウズキ

 キヌガサソウ ここの花が一番奇麗だった

 イワイチョウ

 ヨツバシオガマ

 ハクサンシャクナゲ

 クルマユリ

 ハクサンコザクラ

 ミズバショウ

 高谷池ヒュッテの2階から火打山

◯苗場山 2015年7月2日~3日

 このルート図は日帰り用のため、新潟側(図の右側)が描かれていない 私たちは新潟側の和田小屋から入山
 日帰りもできる(特に長野側は短い)が、山頂の小屋に一泊し、夜明け前の苗田(高層湿原)を是非見て欲しい


 和田小屋 11時20分という遅い出発

 ミツバオウレン

 アカモノ

 ツマトリソウ

 ナエバキスミレ

 ウラジロヨウラク

 カラマツソウ

 ミネウスユキソウ

 ハクサンボウフウ

 夜明け前の池塘〔苗田) 4時37分

 同上 本当に苗が植わっているようだ!!

 高層湿原が広範囲に存在する

 姫シャクナゲ 本当に小さい

 3種類の花の揃い咲き イワカガミ、姫シャクナゲ、ショウジョウバカマ

火打山も素敵だが、やっぱり苗場山は素晴らしいと今更ながら思った。
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