25日大野町総合町民センターで開催された名古屋フィルハーモニーのニューイヤーコンサートを聞きに行った。生の演奏会を聞いたのは、本当に久しぶりで、未だにその余韻が続いている。急に昔に買いためたクラシックのCDを夕食後に聞き出した。しかし、5年前に左耳の聴覚が急に悪くなり、右も悪くなりつつある中でテレビの音がなかなか聞こえない。補聴器をそろそろ考えてはと娘に言われる始末である。このため、CDも大音響で聞いている。
1月10日に岐阜県図書館で借りた10冊を読み終わった。菅野久美子著「超孤独死社会ー特殊清掃の現場をたどる」、日本で確実に増える孤独死、その後始末をする特殊清掃。その臭いと戦いながらプロの仕事を行う仕事人を描いている。自分もいつこのような死に方をするのかわからないだけに強烈な印象を持った。
福島香織著「ウィグル人に何が起きているのー民族迫害の期起源と現在」。チベットに対する弾圧はよく知られているが、ウィグル人に対する我々の知識は乏しい。かつてのテレビでのシルクロードのイメージが強い。各地にある再教育施設、今やソフト版民族浄化とも呼べるような状況にあることを認識した。ロヒンギャだけではないのだ。
高山マミ著「黒人コミュニティ、「被差別と憎悪と依存」の現在ーシカゴの黒人ファミリーと生きて」。今までアメリカに関する本は結構読んできたが、黒人と言われるアフリカ系アメリカ人の実態はもっと深いところにあるようだ。先日ヘリコプター事故でなくなったスター選手などの有名スポーツ選手、そしてスラムに住む貧しい人々というのが我々の持つイメージ。著者はたまたまミドルクラスの男性と出会い、結婚。夫のファミリーとの交流により、表面上は見えない様々な顔が見えてくる。居心地が良い黒人コミュニティ、一人前と認められたくてすぐに子どもを産んでしまう未成年者たち。白人が主流の社会に生まれ、成功するためには様々な困難と闘わないといけない、ストレス多きアメリカ社会。普通の人が普通に生活を送れるような社会を人間はもう作ることができないのであろうか。
吉見義明著「買春(かいしゅん)する帝国ー日本軍「慰安婦」問題の基底」。この本は、明治以降、日本が富国強兵策をとり、日本各地のみでなく、植民地とした朝鮮、台湾、満州、中国等軍の基地が置かれた各地に買春街が形成されたこと、さらに日本人のみでなく植民地の女性たちを巻き込みながら拡大していったことを述べている。その拡大の背景には軍による要請があった。江戸時代以来の公娼制度、すなわち人身売買制度は、明治初期の芸娼技解放令にもかかわらず、第二次大戦後まで生き残った。すなわち、親たちの借金のかたにとられ、何年も公娼宿で働くことを強いられた女性たちが多くいたことを私たちは知る必要がある。そしてその中に慰安婦という問題が存在することを知るべきなのである。慰安婦をプロの娼婦だとか言う人が日本には多いが、日本の公娼制度の歴史を知っているのであろうか。戦前でも議会で何度も公娼制度が問題となった。しかし、海外に対する体面上以上のこととしてこれを問題とした議員は少ない。反対意見はこの制度を廃止すると私娼がはびこり、性病が蔓延するということ。公娼制度においても性病は多く発生しているから、要するに既存の性関係業者の利権それを支える議員を守る以上のものではない。こうした過去を持ち、女性の人権という意識が十分行き渡っていない日本。これでは、慰安婦問題はいつまで経っても解決できない。
そして、その現代版とも言えるのが外国人技能実習生なのである。もちろん性を売り買いするわけではない。売るのは労働力なのであるが、その実態は日本の人権の実態が見えてくるようなおぞましい状況である。もとは外国人技能研修制度だった。その制度を生み出したのは岐阜県の繊維産業だと私は聞いている。韓国、中国等との競争において、日本の繊維産業は既に敗退しつつあった。そこで、安い労働力を最初はまだ賃金の低かった東北、九州に求めた。そしてさらに海外に求めるようになった。しかし、単純に労働力を求めることはできないので、研修制度、外国における技術の向上を図るという国際協力を名目に今は鬼籍に入るW代議士が中心となって、国の制度にしてもらった。その制度がいよいよ日本人の労働力が確保できないとの産業界の大合唱でますます拡大し、今やその数30万人に達しようとしているのである。
巣内尚子著「奴隷労働ーベトナム人技能実習生の実態」はベトナム人の置かれた状況を詳しく報告している。ベトナムでは、労働力輸出が今や国策となっており、それがビジネスともなっている。実習生は、日本に来るため仲介業者に100万円前後の金を払う。ベトナムの月額給料は2万5千円程度であるから、40倍ものカネを銀行から借金して来日する。そして、最低賃金に近い賃金で借金を返すために長時間働く。さらに残業代の未払い、不当に高い住居費・光熱水費を差し引かれるケースが相次ぐ。しかし、彼らには相談するところがない、受け入れに責任を持ち、実習企業を監督する立場にある管理団体(企業から管理費を徴収する)にも相談するが、解決能力はない。この制度は本来国際協力の一環であるはずだ。これでは、日本に対して悪い感情を抱く外国人を増産するようなものである。
揖斐川町ではフィリピンの町と交流しようとしているらしい。その目的は町内で介護人材が集まらないため、フルオープンできない施設があるので、その町から介護人材を集めたいとのこと。これ以外にも建設業の人出不足もあるようだ。しかし、私は外国から人を求める前にやることが一杯あると思う。まずは、介護職の賃金を上げることが最優先となる。誰も人生の最後に言葉の通じない外国人に介護してもらいたくはないであろう。そして、前にも書いたが最低賃金を思い切りあげることだ。この過程で、廃業する企業は多く出るであろう。しかし、長い目で見れば国民所得の向上につながり、日本の未来も明るくなると思う。
1月10日に岐阜県図書館で借りた10冊を読み終わった。菅野久美子著「超孤独死社会ー特殊清掃の現場をたどる」、日本で確実に増える孤独死、その後始末をする特殊清掃。その臭いと戦いながらプロの仕事を行う仕事人を描いている。自分もいつこのような死に方をするのかわからないだけに強烈な印象を持った。
福島香織著「ウィグル人に何が起きているのー民族迫害の期起源と現在」。チベットに対する弾圧はよく知られているが、ウィグル人に対する我々の知識は乏しい。かつてのテレビでのシルクロードのイメージが強い。各地にある再教育施設、今やソフト版民族浄化とも呼べるような状況にあることを認識した。ロヒンギャだけではないのだ。
高山マミ著「黒人コミュニティ、「被差別と憎悪と依存」の現在ーシカゴの黒人ファミリーと生きて」。今までアメリカに関する本は結構読んできたが、黒人と言われるアフリカ系アメリカ人の実態はもっと深いところにあるようだ。先日ヘリコプター事故でなくなったスター選手などの有名スポーツ選手、そしてスラムに住む貧しい人々というのが我々の持つイメージ。著者はたまたまミドルクラスの男性と出会い、結婚。夫のファミリーとの交流により、表面上は見えない様々な顔が見えてくる。居心地が良い黒人コミュニティ、一人前と認められたくてすぐに子どもを産んでしまう未成年者たち。白人が主流の社会に生まれ、成功するためには様々な困難と闘わないといけない、ストレス多きアメリカ社会。普通の人が普通に生活を送れるような社会を人間はもう作ることができないのであろうか。
吉見義明著「買春(かいしゅん)する帝国ー日本軍「慰安婦」問題の基底」。この本は、明治以降、日本が富国強兵策をとり、日本各地のみでなく、植民地とした朝鮮、台湾、満州、中国等軍の基地が置かれた各地に買春街が形成されたこと、さらに日本人のみでなく植民地の女性たちを巻き込みながら拡大していったことを述べている。その拡大の背景には軍による要請があった。江戸時代以来の公娼制度、すなわち人身売買制度は、明治初期の芸娼技解放令にもかかわらず、第二次大戦後まで生き残った。すなわち、親たちの借金のかたにとられ、何年も公娼宿で働くことを強いられた女性たちが多くいたことを私たちは知る必要がある。そしてその中に慰安婦という問題が存在することを知るべきなのである。慰安婦をプロの娼婦だとか言う人が日本には多いが、日本の公娼制度の歴史を知っているのであろうか。戦前でも議会で何度も公娼制度が問題となった。しかし、海外に対する体面上以上のこととしてこれを問題とした議員は少ない。反対意見はこの制度を廃止すると私娼がはびこり、性病が蔓延するということ。公娼制度においても性病は多く発生しているから、要するに既存の性関係業者の利権それを支える議員を守る以上のものではない。こうした過去を持ち、女性の人権という意識が十分行き渡っていない日本。これでは、慰安婦問題はいつまで経っても解決できない。
そして、その現代版とも言えるのが外国人技能実習生なのである。もちろん性を売り買いするわけではない。売るのは労働力なのであるが、その実態は日本の人権の実態が見えてくるようなおぞましい状況である。もとは外国人技能研修制度だった。その制度を生み出したのは岐阜県の繊維産業だと私は聞いている。韓国、中国等との競争において、日本の繊維産業は既に敗退しつつあった。そこで、安い労働力を最初はまだ賃金の低かった東北、九州に求めた。そしてさらに海外に求めるようになった。しかし、単純に労働力を求めることはできないので、研修制度、外国における技術の向上を図るという国際協力を名目に今は鬼籍に入るW代議士が中心となって、国の制度にしてもらった。その制度がいよいよ日本人の労働力が確保できないとの産業界の大合唱でますます拡大し、今やその数30万人に達しようとしているのである。
巣内尚子著「奴隷労働ーベトナム人技能実習生の実態」はベトナム人の置かれた状況を詳しく報告している。ベトナムでは、労働力輸出が今や国策となっており、それがビジネスともなっている。実習生は、日本に来るため仲介業者に100万円前後の金を払う。ベトナムの月額給料は2万5千円程度であるから、40倍ものカネを銀行から借金して来日する。そして、最低賃金に近い賃金で借金を返すために長時間働く。さらに残業代の未払い、不当に高い住居費・光熱水費を差し引かれるケースが相次ぐ。しかし、彼らには相談するところがない、受け入れに責任を持ち、実習企業を監督する立場にある管理団体(企業から管理費を徴収する)にも相談するが、解決能力はない。この制度は本来国際協力の一環であるはずだ。これでは、日本に対して悪い感情を抱く外国人を増産するようなものである。
揖斐川町ではフィリピンの町と交流しようとしているらしい。その目的は町内で介護人材が集まらないため、フルオープンできない施設があるので、その町から介護人材を集めたいとのこと。これ以外にも建設業の人出不足もあるようだ。しかし、私は外国から人を求める前にやることが一杯あると思う。まずは、介護職の賃金を上げることが最優先となる。誰も人生の最後に言葉の通じない外国人に介護してもらいたくはないであろう。そして、前にも書いたが最低賃金を思い切りあげることだ。この過程で、廃業する企業は多く出るであろう。しかし、長い目で見れば国民所得の向上につながり、日本の未来も明るくなると思う。